スポニチとコラボ 開幕1面紙面製作

東京五輪・パラ五輪を考えるスペシャルセッション

実践女子大学(城島栄一郎学長)の東京・渋谷キャンパスでこのほど「東京2020オリンピック・パラリンピックを考える~スポニチ スペシャルセッション」が行われた。キャリア教育科目「国際理解とキャリア形成」の一環として、スポーツニッポン新聞社協力のもと、東京五輪・パラリンピック開幕1年前となる7月24日付の新聞紙面制作に取り組んだ受講者が16、23日に成果を発表。女子大生の視点をふまえた紙面制作を通じて、大会への理解を深めた。

東京五輪開幕1年前仮装紙面を手に記念撮影する実践女子大の受講者

イケメン、メイク、ボランティア、嵐・・“ならではの視点”

五輪取材経験豊富なスポニチ・藤山健二編集委員を講師に迎えた特別授業が最終章を迎えた。「国際理解とキャリア形成」史上最多71人が12グループ、2日に分かれ、完成した紙面を紹介。かつてないスポーツ紙が続々と登場した。

16日のトップバッター「ヨーロッパⅠ班」の紙面には「イケメン五輪」の文字が躍った。「女子大らしさを押し出そうとテーマを決めた」。野球の小林誠司(30)、スケートボードの平野歩夢(20)ら新または復活種目イケメントップ3の人柄などを細かく報じた。

「ヨーロッパⅢ班」はアーティスティックスイミングの「メイク」に着目。「選手の化粧が崩れないことに興味を持った」と選手自らメークすることや、使用する市販の化粧品の銘柄、崩れない工夫などを紹介した。女子大生ならではの発想に藤山編集委員も「こういう原稿を読んだのは初めて。とても素晴らしい」と絶賛した。

「ヨーロッパⅣ班」も平野がテーマ。スノーボードの五輪2大会連続銀メダリストがスケートボードでもライバル、ショーン・ホワイト(32)と対決を約束したとし、「対決やメダルを表にまとめ、読者が興味を持つようにした」と胸を張った。

「オセアニア班」はレスリングをピックアップ。川井梨紗子(24)と伊調馨(35)の代表争いに触れ、「私たちもチャレンジ精神を持ち課題に取り組むべき」と結論づけた。「ヨーロッパⅡ班」はセーリングを猛プッシュ。「日本で注目されておらず、これから伸びていく競技」と丁寧な文章で魅力を伝えた。

「アメリカⅠ班」はボランティアの問題点に切り込んだ。「ニュースでかなりハードだと聞いて気になった」と拘束日数や金銭面などの問題に触れ、解決策も挙げてみせた。発表を終えた「ヨーロッパⅢ班」の楠本紫乃さん(3年)は「五輪を身近に感じることができた」と感想。「ボランティアの魅力と課題を知ることができた」(アメリカⅠ班・森本茉莉絵さん、3年)、「五輪についてもっと知りたくなった」(アメリカⅠ班・大田朱夏さん、4年)、「平野選手は人気なんだと感じた」(ヨーロッパⅢ班・河合歩美さん、3年)といった声も聞かれた。

授業で各グループ紙面の発表を行う

新種目スケートボード・復活ソフトボールに注目

23日の発表では、後半6グループが力作を披露した。「アジアⅠ班」は「歩夢と雄斗」、「アジアⅡ班」は「女子ソフト」、「アジアⅢ班」は「聖火を灯せ!」がテーマ。新種目スケートボードと2大会ぶり実施のソフトボール、聖火ランナーにスポットを当てた。

パラリンピック競技の「ブラサカの魅力」をテーマにした「アメリカⅢ班」や「開催式期待高まる 嵐」をチョイスした「中東諸国班」の発表も熱を帯びた。「中東諸国班」の猪俣ゆきのさん(3年)は「何をテーマにすれば興味を持ってもらえるのか決めるのが難しかった」と振り返った。

最後に登壇した「アメリカⅡ班」は「歩夢とカノア」と題し、スケートボード&サーフィン種目イケメンコンビに照準。長峰未来さん(3年)は「紙面を見てこんな凄いものになっていると魔法にかかったみたい」と喜んだ。

総括する上原信幸理事
授業を担当した深澤晶久教授

藤山編集委員は「イケメン選手に始まってイケメン選手に終わりましたね」と総括、上原信幸理事は「五輪について興味を持った、1面を作ってみたというのも五輪に参加したということ」と成果を強調。授業を担当した文学部の深澤晶久教授は「それぞれがオリンピックやパラリンピックのことを考え、自分の立ち位置で主体的に関わること、まさに東京2020のコンセプト〝全員が自己ベスト〟を体現することになる」と思いを込めた。