スポニチフォーラム「FOR ALL 2020」

17年以来グランプリにグリコポーズ‼ 道下は「夢のよう」初受賞

スポーツニッポンフォーラム制定「FOR ALL 2020」の表彰式が7日、東京都文京区の東京ドームホテルで開催された。グランプリには世界3大レースの一つ、インディアナポリス500(8月、米インディアナポリス)で3年ぶり2度目の優勝を果たした佐藤琢磨(43=ホンダ)と、視覚障がい者マラソンで世界記録を大幅に更新した道下美里(43=三井住友海上)が受賞。副賞として100万円が贈られた。

琢磨 連覇へ金言
インディ500マルチウイナー43歳「常に限界に挑む」

今年8月に/アジア人初/2度目制覇

史上20人目、アジア人としてはもちろん初めてインディ500のマルチウイナーとなった佐藤。そしてこのグランプリも2度目の受賞となり、「夢だったインディ500で2度目の優勝ができた。再び、グランプリをいただき大変光栄」とあふれる笑顔で語った。
今年は新型コロナウイルスの影響でシーズン開幕が3カ月遅れ。例年は5月下旬に行われるインディ500は8月開催だった。それでも世界中で多くのスポーツイベントが中止に追い込まれた中、104回目を迎えた伝統のレースは無観客で開催された。「多くのアスリートが活躍する場を制限された中、無観客だったが関係者の尽力でレースができた自分たちは幸せ」と感謝の思いを口にした。

「中年の星」/攻めて狙う/6人目快挙

40歳で初優勝し、43歳で2度目の制覇を果たした。あいさつ冒頭で「中年の星、佐藤琢磨です」と自己紹介して笑わせた佐藤にとって、年齢はただの数字に過ぎない。自分に限界を設けず、常に座右の銘「ノーアタック、ノーチャンス」を胸に挑戦し続ける姿勢が、不惑になっても進化を続ける原動力。「失敗すると悔しい。でも限界まで行かないと失敗もできない。守りに入れば結果が出ない。だから常に限界に挑む」と金言を披露した。
一年一年が勝負となる北米最高峰のインディカーシリーズ。20年を過去最高の総合7位で終え、来季もレイホール・レターマン・ラニガン・レーシングの一員として12年目のシーズンに臨む。コロナ禍の影響は計り知れず、「順調に開催されるか分からない」と断りつつ、「ベストシーズンにしたいし、連覇は前年優勝者しかできないので目指したい」と史上6人目の連覇に挑戦すると宣言。日本のモーターシーンを引っ張り続ける侍ドライバーが、21年もアクセル全開で駆け抜ける。

ブラインドマラソン界女王 東京パラで自己新塗り替える
道下「チーム」で金

減量目的から/競技スタート

笑顔の花を、来年の東京パラリンピックの舞台で咲かせる。ブラインドマラソン界の女王、道下はグランプリを受賞し「最初はダイエット目的で走り始めた私が、こんな晴れやかな舞台でアスリートとして表彰してもらえるなんて夢のよう」とほほ笑んだ。
道下の強さには“仲間”の存在が大きい。20~70歳までの伴走者約10人で構成する「チーム道下」とともに、練習に取り組んでいる。道下はもちろん、伴走者も厳しい自主練習を怠らず、フルタイムの仕事をこなしながら、早朝5時から坂道ダッシュ、月間1000キロ以上も走り込む仲間もいる。「なんでそんなに練習するの?って聞いたら“みっちゃんと来年の東京のためだよ”って。サポートがたくさんある中で(結果を)出せないわけがない」と口にした。
16年リオデジャネイロ・パラリンピックの銀メダルは、あくまで「通過点」という。瞬間のうれしさはあったが、狙っていたタイムではなかった。だからこそ、東京パラでさらなる高みを目指す。
19年世界選手権で優勝。今年2月の別府大分毎日マラソンでは、自身が持つ世界記録を1分52秒更新する2時間54分22秒をマーク。来夏の祭典で金メダルを手にする準備は、着々と進んでいる。
「たゆまぬ努力を続けながら、進化を続けていきたい。東京では仲間と一緒に喜びたい」。はじける笑顔で、駆け続ける。道下の挑戦はまだまだ終わらない。


佐藤琢磨(左)と道下美里

 

・佐藤 琢磨(さとう・たくま)1977年(昭52)1月28日生まれ、東京都出身の43歳。自転車競技では高校総体で優勝し、97年に早大を中退してモータースポーツに本格転向。01年に英F3で日本人初王者となり、02年にジョーダン・ホンダでF1デビュー。BARホンダ時代の04年米国GPで日本人最高タイの3位に入った。08年を最後にF1シートを失い、10年からインディカー・シリーズに参戦。13年の第3戦ロングビーチ(米国)でシリーズ日本人初優勝、17年インディ500でアジア人初優勝。シリーズ通算6勝。1メートル64、59キロ。

・道下 美里(みちした・みさと)1977年(昭52)1月19日生まれ、山口県下関市出身の43歳。小4で角膜の病気(膠様=こうよう=滴状角膜ジストロフィー)を患い、中2で右目の視力を失う。のちに左目も発症し、視力は0.01以下。26歳で陸上を始め、31歳でマラソンに転向。16年のリオデジャネイロ・パラリンピックで銀メダルを獲得。1メートル44、36キロ。

 

▽スポーツニッポンフォーラム 「スポーツ振興支援、国民の健康づくりを語り合い、明るく元気な日本をつくる」ことを目的に、官民一体で構成した異業種勉強交流会。開催は年4~5回で、そのうちの1回は表彰制度「FOR ALL」を設けている。表彰者は選考委員会を経て決定。(1)スポーツを通じて日本を元気づける顕著な働きをした個人または団体。(2)社会貢献ならびに地域振興に寄与した個人または団体にグランプリが贈られる。

◇特別協賛◇ 東日印刷
◇協賛企業◇ アサヒビール/OFBリーグ/王子製紙/大塚ホールディングス/オリエンタルランド/鹿島建設/神田外語グループ/高速オフセット/下野新聞社/新生紙パルプ商事/新菱冷熱工業/スリムビューティハウス/セガサミーホールディングス/第一生命保険/ダイハツ工業/大和ハウス工業/中越パルプ工業/東京医療福祉専門学校/東芝デジタルソリューションズ/トヨタ自動車/トランス・コスモス/日本製紙/日本製鉄/日本生命保険/長谷工コーポレーション/ヒューマンホールディングス/ファンケル/富士通/マイナビ/ミキハウス/ミズノ/三井住友海上火災保険/明治安田生命保険/森ビル/SN・毎日物流センター/スポニチクリエイツ/スポニチパートナー/スポニチプライム ※順不同