ウィズコロナ時代の画期的がん検査

新型コロナウイルスの猛威によって、がん検診受診者が大幅に減少している。感染の不安から病院などでの受診が見送られていることが原因だが、あくまで日本人の死因第1位はがん。2人に1人が経験し、3人に1人はがんが原因で死亡しているという調査結果もあるほど。そこで、ウィズコロナ時代にマッチする検査が脚光を浴びている。早期発見のカギとなるのはなんと線虫!簡便、安価、高精度を実現した1次スクリーニング検査について紹介する。

N-NOSEステーション

2人に1人の時代

国立がん研究センターの20年年間予測では、がん患者数は約101万2000人で死亡者数は約37万9400人。その中で肺がん患者数は約13万人で死亡者数は約7万5600人。がん研究振興財団の調査では、2人に1人ががんになる時代といわれている。

浅草クリニックの内山伸氏は「男性の人口10万人あたりで肺がんにかかって亡くなる率を割り出すと86.7人にも達します。コロナの死亡率は10万人あたり約0.6人。肺がんは新型コロナより144倍も死にやすい病気なのです」と週刊現代(20年6月6日号)で語ったほどだ。

そして今、感染症を恐れるあまり、病院などでのがん検診受診者が減少していることが大きな懸念材料だ。20年は例年に比べて3割減、特に5月は前年同月比8%という衝撃的な数字となっている。がん患者の数は変わらないので、早期発見の機会が減ることは大問題だ。

そこで、注目されるものが世界初の線虫がん検査「N―NOSE」。ベンチャー企業HIROTSUバイオサイエンスが手がけるこの検査は線虫を使い、尿1滴でがん患者かそうでないかを見分けるという世界初の生物診断システムを採用。「がんの成分を含んだ尿の匂いが好きで寄っていくが、健常者の尿の匂いは嫌いで寄っていかない」という特性を活用したものだ。

86.3%の高感度

わずかな尿で検査可能で、線虫の飼育コストが安いため検査料金が約1万円(税別9800円+送料700円)という安価に提供できる。それでいてステージ0や1の早期がんにも反応し、感度は86.3%。つまり「簡便」、「安価」、「高精度」という三拍子そろった検査なのだ。同社はこの1次スクリーニング検査をきっかけに、がん検診受診率の向上に寄与し、がんの早期発見につなげることを目指している。 「感染リスクを減らすために医療機関に行かずに受けられるようにしてほしい」という多くの意見が寄せられ、昨年11月には一般向けサービス「Go To N―NOSE」を実施。ウェブ予約すると検査キットが指定場所に配送される。自宅で採尿し検体を「N―NOSEステーション」に届けると、自宅に検査結果が届くという仕組みはまさにウィズコロナ時代にマッチする方法。開始2週間で3000人超が申し込んだという。

 

今月16日には同社の拠点がある東京、福岡以外で初めてとなる「N―NOSEステーション」が大阪・梅田にもオープンし、今後も全国に展開予定となっている。

ある意味コロナより怖いがん。この機会に画期的な検査を受けてみてはどうだろうか。詳細は公式サイトへ。

<1月27日付 スポニチ本紙掲載記事>

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