”全国の才能を埋もれさせるな”コロナ禍の学生アスリートを支える画期的試み

コロナ禍をきっかけに若いアスリートを支えるムーブメントが注目されている。「アスリートの未来をつくる」をモットーに掲げる「一般社団法人スポーツを止めるな」はこのほど、選手自身がプレーをアピールするためのオンラインプラットフォーム「HANDS UP」の提供を開始。年末の本リリースに向け、ユーザーからのフィードバックも募集する。次のステージを目指す選手やチーム・学校のスカウト関係者にとって画期的な試みとなるはずだ。

オンラインプラットフォーム「HANDS UP」でプレーをアピール

学生自身がプレー動画とプロフィル登録

「スポーツを止めるな」はコロナ禍の影響を受けた学生の試合映像にトップ選手の実況解説をつけプレゼントする「青春の宝」プロジェクトで大きな話題となっている。

主にSNSを駆使した「#スポーツを止めるな」の活動はスポーツ分野で優れた成果を挙げたことから20年度朝日スポーツ賞を受賞し、知名度もぐんぐんアップしている。今回提供する「HANDS UP」について、代表理事でラグビー元日本代表の野澤武史氏は「昨年は高校生の進路サポートなどを行ったが、競技によってはSNSを使えなかったり、選手の年齢によってはSNSの使用に適さないという意見もあった。そこで課題を乗り越えるために、HANDS UPというシステムを開発した」と経緯を説明した。

新システムは「困難な状況の中でも、学校や地域の差で学生の機会を失われることなく、学生が希望する次のステージに進む一助となること、そして全国の学生の才能を埋もれさせないこと」を目的に開発。具体的には学生自身がプレー画像やプロフィルを登録。自らの意思で得意なプレーや身体能力をアピールすることができるプロフィルには握力やベンチプレスのマックス値、進路希望先なども記入できる。画像は最大3つ、最長2分間のアップが可能だ。

ZOOMで記者会見をする「スポーツを止めるな」の関係者

また、学校やスカウト側にもメリットがあり、優秀な学生を発掘する機会となるだけでなく、自身のチームや学校のアピールもできる。動画や基本情報を視聴し合い、互いが興味を持てばシステム上でチャットも可能になるというわけだ。

学校の先生や保護者も安心安全な環境が整うことについて、競技横断プロデューサーで柔道元日本代表の野村忠宏氏は「HANDS UPは挙手という意味。学生アスリートが自らの意思で登録し、自らの力で次のステージを勝ち取るんだという自立心を持ってもらうためのシステム」と力説した。

現在は基本機能を搭載したリリース第1弾の段階。来月まで募集するユーザーからのフィードバックを集約し、その後は改修を進めて12月の本リリースを目指す。

共同代表理事でラグビー元日本代表主将の廣瀬俊朗氏は「いろいろな意見を聞きながらブラッシュアップし、より学生の成長を後押しできるようにしていきたい。ぜひとも皆さんに触っていただきたい」と呼びかけた。

視聴後の感想、意見などは公式サイトへ。

<2月10日 スポニチ本紙掲載記事>

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