胃の機能異常が脳に影響…心身不調に

年末年始に向け、せわしない日々が待っているが、ストレスと関係が深い臓器をいたわることも大切だ。胃のトピックスを紹介する「後編」は最新の研究について特集。胃の機能異常が自律神経を介し、脳に影響をもたらすことが分かってきたという。

ストレスを感じやすい臓器といえば、まず胃が頭に浮かぶ。食欲不振、胃痛、胃もたれ…。「胃は心のバロメーター」という言葉もあるほどだ。

ただでさえ疲れが出る年末だが、2020年以来2年近く続くコロナ禍が追い打ちをかけている。ヒューマン・データ・ラボラトリ「第2回胃の不調に関する実態調査」では45.8%の人が胃の不調を感じていることが判明。さらに、先月行われた「胃脳相関と乳酸菌の最新研究」に関するセミナーでは「胃の機能異常が自律神経を介し、脳に悪影響を及ぼし、心身の健康に影響を及ぼしている可能性が明らかになりつつある」と発表された。

三輪洋人教授

セミナーでは兵庫医科大学の三輪洋人教授が「コロナ禍で胃の不調を感じる人が増えているといわれているが、胃カメラなどの検査を受けても何の異常も見つからないケースが多い。しかし異常が見つからなくても胃の働きに変調が起きている」と指摘。胃には胃酸の分泌、蠕動運動、知覚の3つの働きがあると説明したうえで「これらの異常によって不快な症状が出てくる」と解説した。

専門用語では、検査で異常がないのに胃に不調が表れる病気を「機能性ディスペプシア」というが、これは13年に診断名として認められ、現在10人に1人が発症しているという。

春間賢特任教授  

また、川崎医科大学の春間賢教授は「胃のシグナルは脳の広範囲に及んでおり、胃の不調は不安感を増幅することが分かっている。胃脳相関を介して全身の健康を司っている可能性も示唆されている」と「胃脳相関」をキーワードに挙げた。

脳と腸が自律神経やホルモンなどを介して密接に関連していることを表す「脳腸相関」は広く知られているが、胃と脳が密接に関連している「胃脳相関」もぜひ覚えてほしい用語だ。

さらに春間教授は「胃脳相関と乳酸菌の最新研究」についても言及し「LG21乳酸菌」の摂取による自律神経バランスの改善効果と低下した胃の動きを改善する傾向が認められたことを明らかにした。具体的に、胃に優しい食材は「LG21乳酸菌」を含むヨーグルトを筆頭に大根、カブ、ニンジン、ジャガイモ、白身魚、ささみ、納豆などが知られているので、年末年始の食事に活用してはどうだろうか。

2回にわたって胃のトピックスを紹介した。「おしゃべりな臓器」の発する信号を正しく受け止め、日々を健やかに過ごそう。

<11月24日付 スポニチ本紙掲載記事>

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