改正健康増進法が4月1日から全面施行~東京都では受動喫煙防止法も施行

改正健康増進法がいよいよ今年4月1日から全面施行、東京都では受動喫煙防止条例も施行される。屋内は原則禁煙となるが、喫煙専用室や加熱式たばこ専用喫煙室を設けて分煙とすれば喫煙は可能だ。たばこを吸わない人が煙の迷惑にあわないための取り組みを改めて紹介するとともに、喫煙者、非喫煙者のいずれもが、快適に過ごすことができる空間づくりの準備をすすめる飲食店に話を聞いた。

東京都大田区の「和民」大鳥居店の喫煙専用室。「ワタミ」グループは全店禁煙化

屋内は原則禁煙

4月から全面施行される改正健康増進法では、既に19年7月から実施されている学校や病院、行政機関の庁舎などの屋外専用喫煙所をのぞく敷地内禁煙に加え、旅客運送事業船舶・鉄道、飲食店といった多数の利用者がいるその他の施設の屋内は原則禁煙となる。

喫煙専用室を設ければ、専用室内での喫煙は可能だが、飲食はできない。加熱式たばこ専用喫煙室では加熱式たばこのみ喫煙でき、飲食も可能。どちらの喫煙室も未成年者は入室禁止となる。シガーバーやスナックなど、喫煙目的の施設では喫煙ができ、飲食も可能だ。

客席面積100平方㍍以下、資本金5000万円以下の既存店は規制対象外。しかし、都の受動喫煙防止条例では、従業員を使用しない飲食店等以外は規制対象となる。

飲食各店では、法律、条例の施行に合わせて新たな対応を行うところも。居酒屋「和民」など飲食店約500店舗を展開するワタミでも4月以降は原則禁煙だが、東京都大田区の「和民」大鳥居店など約400店で新たに喫煙専用室を設置する。同社広報部の菅則勝氏は「たばこを吸わないお客さまに快適なお時間を提供したい」と説明する。

これまではエアカーテンなどで分煙していたが、既に喫煙専用室の設置を終えた店舗では使用を開始し、「吸わない方やご家族連れから〝来やすくなった〟、吸う方からは〝喫煙室があり助かる〟と言った声をいただいています」と手応えを口にする。

居酒屋「金の蔵」の喫煙専用室

昨年12月に東京都新宿区にオープンした、三光マーケティングフーズが手掛ける「Soul Dining Bar 歌舞伎町 鶴千」は現在全面喫煙可。たばこの販売許可を申請中で、4月以降も喫煙ができるようにしたいとする。同社HR・カンパニーユニットの西川絢広報は「現在も7、8割がたばこを吸われ、吸われない方も気にしない方が選んで来られているようです。バーですのでたばこが吸えないのはお客さまの感覚に合わない、来られる方も20歳以上なので問題ないと考えました」と理由を語った。

4月以降も喫煙できるようにたばこの販売許可を申請中の「Soul Dining Bar 歌舞伎町 鶴千」の店内

また同社の居酒屋「金の蔵」約50店舗では、現在は基本的に喫煙可だが、原則禁煙とした上で、ほぼ全店に喫煙専用室を設置する。「禁煙の流れはありますが、居酒屋ですので、たばこが吸える場所もないとお客さまの減少につながるのではと考えました」と話した。