巨人・丸佳浩、中日・平田良介、ロッテ・安田尚憲、阪神・斎藤友貴哉の4選手が熱戦

初代「球王」中日・平田が就位

プロ野球選手の〝将棋王〟を決める「プロ野球最強将棋王決定戦」(スポーツニッポン新聞社、ドワンゴ主催)は20日、東京・越中島のスポニチ東京本社で行われた。ライブ配信サービスのニコニコ生放送で「プロ野球×将棋特番」と題して生配信された。日本プロ野球選手会協力のもと巨人・丸佳浩外野手(30)、中日・平田良介外野手(32)、ロッテ・安田尚憲内野手(21)、阪神・斎藤友貴哉投手(25)の4選手がエントリー。解説に渡辺明王将(名人、棋王との3冠)、久保利明九段、室谷由紀女流三段の超豪華メンバーがそろい、大いに盛り上がった。

 

イベント前半に行われた「球王決定戦」は、球界きっての将棋好き4人が顔をそろえた。番組はスポニチ東京本社に設えた特別スタジオから生配信。対局室、大盤解説会場、控え室はそれぞれ別となり、選手はマウスシールドを着用。徹底したウイルス対策を講じて実施された。

対戦に臨む丸(右)と平田

第1局は丸と安田が対局し、進行は角換わりとなり序盤から激しい展開。解説の渡辺王将が「プロ棋士みたいな進行ですね」と称えたほどレベルの高い内容となったが、丸が98手で勝利。思わず「緊張しました」と笑顔を見せた。

第2局は平田と斎藤の顔合わせ。平田はメガネ姿で対局に臨み、72手で圧勝。斎藤は「難しすぎます。緊張しすぎてどこに指せばいいか分からなかった」と脱帽した。

丸VS平田の顔合わせとなった決勝。2人はカメラマンの要望に応じ、ガッツポーズして写真に納まり対局スタート。セ・リーグを代表する強打者による顔合わせに、ニコ生視聴者も大いに盛り上がり、画面はコメントで埋め尽くされた。

序盤は平田が主導権を握る展開に。対する丸も中盤に相手の飛車を討ち取って応戦したが、最後はミスが響いて平田が優勝。初代「球王」に輝いた中日の主砲は「どっちが勝ってもおかしくなかった」と喜んだ。

大のヤクルトファンの渡辺王将はユニフォームを着て登場

熱狂的ヤクルトファンの渡辺王将、阪神ファンの久保九段と室谷三段は終始笑顔で解説。渡辺王将はヤクルト、久保九段と室谷三段は阪神の自前ユニホーム姿で出演した。

渡辺王将は「(東京の)将棋会館で対局していると、神宮球場から観客の声が聞こえる。花火が上がると〝ああ5回なんだな〟と思う。事務仕事帰りに観戦に行くこともあります」とあふれんばかりの野球愛を明かした。久保九段も「(将棋連盟チームの一員として)神宮第2球場でプレーしたことがある。投手だったが、ストライクが入らなかった」と思い出を語った。

選手はもちろん、プロ棋士にとっても楽しいひとときとなった様子で、渡辺王将は「皆さん想像以上に強かったし、なにより将棋に熱心に取り組んでくれているのがうれしかった」と感激していた。

渡辺王将と安田

イベント後半はプロ野球選手がドリームチームを結成し、渡辺王将と二枚落ちの手合いで対戦した。

選手軍の監督は久保九段。指揮官が振り飛車党とあって、選手は振り飛車の戦型をチョイス。守っては「美濃囲い」に向かう戦術で臨んだ。1人5手ごとに交代となり、打順は平田、丸、斎藤、安田に組んで対局席についた。

室谷三段が選手の登場順に「1番・球王平田」「2番・センター丸」「3番・ピッチャー斎藤」「4番・サード安田」と野球風のアナウンスで盛り上げると、ニコ生視聴者は即座に反応。「もう球王の称号が!!」「センター・丸って!」などとコメントで画面が埋め尽くされた。

センター丸!

実戦では久保監督の狙いが次々的中。渡辺王将の指し筋を読み、作戦を伝授された4選手が忠実に盤上で実行。4選手によるリレーが見事にはまった。中盤にはルールで1度だけ認められている、監督による「代打、オレ」も飛び出し、王将戦さながらの久保VS渡辺も実現した。

代打・久保

「バッター、平田に替わりまして久保」のアナウンスに視聴者は爆笑。しかし、重要な局面に至ることなく出番が終わると、4選手からは「もっと続けて〝打って〟ほしかった」という声も飛び出した。

ドリームチーム優勢で終盤へ。指揮官は「選手皆さんの力で勝ってほしい」と激励し、選手たちは相手玉を追い詰めていく。最後は安田の124手を見て渡辺王将が「負けました」と投了した。

タイトル保持者が「お見事でした」と脱帽すると、安田は「凄くいい経験。気持ちよかったです」と喜んだ。丸は「夢のような時間だった」、平田は「貴重な時間をいただいた」、斎藤は「今までの自分の将棋が何だったのかと思うくらい勉強になった」と感謝した。

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<12月23日 スポニチ本紙掲載記事>

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