プルーム・テック使用者 たばこ関連疾患指標値は非喫煙者の値に近い

JTはこのほど「低温加熱型のたばこ用デバイス『プルーム・テック』に関する科学的な調査結果説明会」を開催。「プルーム・テック使用者」のたばこ関連疾患指標値は、紙巻たばこ喫煙者の生体指標値と顕著に異なり、非喫煙者の生体指標値に近いことが示されたと発表した。

紙巻たばこ煙 健康懸念物質

説明会は先月末に電話会議方式で実施。JT専務執行役員国内たばこ事業CEO福地淳一氏、北里大医学部付属臨床研究センター教授の熊谷雄治氏が出席して行われた。

紙巻たばこの喫煙に伴う疾病のリスクの主な要因は、たばこ葉を燃焼させることに伴って発生するたばこ煙中の健康懸念物質であると考えられている。そこで、JTはたばこ葉の燃焼を伴わず煙を発生しない新しいスタイルのたばこ製品を、喫煙に伴う健康へのリスクを低減させる可能性のあるもの、つまりリスク低減製品と位置付けた。

煙を発生させない、リスク低減製品と位置付け

今回はそのリスク低減製品であるプルーム・テックを使用している人の「喫煙に関連する疾患との関係が報告されている生体指標」を、紙巻たばこを喫煙される人や、たばこ製品を使用しない人と比較した。

リスク低減製品の使用により、体内に取り込まれる健康懸念物質の量を曝露(ばくろ)量と呼び、紙巻たばこの喫煙と比較して低減されているかを調査。その結果、紙巻たばこからプルーム・テックに切り替えた場合、ベンゼン、NNK、1,3―ブタジエンなどニコチンを除く多くの成分の曝露量が、禁煙したグループと同様のレベルまで低減。併せて、喫煙を継続したグループと比較して、全ての成分の曝露量が顕著に減少したことが前回の調査で分かっている。

さらに「リスク低減製品の使用者の生体指標が、紙巻たばこの喫煙者と比較して非喫煙者方向に位置しているか」についても検証。プルーム・テック使用者259人、紙巻たばこ喫煙者100人、非喫煙者100人を対象に行い、白血球数やHDLコレステロールなど7種の生体指標で比較。その結果、プルーム・テック使用者の値は、紙巻たばこ喫煙者の値と顕著に異なり、その値は非喫煙者の値に近いことが確認された。熊谷氏は「今後もさらなる長期的な調査が必要になる」としつつ「今回の結果は科学的に妥当なものだと考える」と説明した。

受動喫煙防止 取り組み継続

また、今月から改正健康増進法が全面施行され、オフィスなど多くの場所が原則屋内禁煙に。20歳未満の人は喫煙エリアへ立ち入り禁止、屋内喫煙には喫煙室の設置が必要で、標識も義務付けられた。その中で、加熱式たばこは食事と一緒に楽しめるケースもある。福地氏は「たばこのマナー、分煙コンサルティングを通じて望まない受動喫煙を防止していく。その中で、加熱式たばこ専用室をつくるという観点で、取り組みを継続していきたい」とリスク低減製品を活用していく考えだ。

リスク低減製品が実際の市場でどのように使用され、その長期的な使用がどのような影響を及ぼすのか。JTの研究は今後も続いていく。

 

<4月8日付 スポニチ本紙掲載記事>

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