「東南アジアBASEBALL PROJECT」発足

各地で野球教室を開催(後列右から2人目が柴田氏)

東南アジアの子ども達に、日本と同じような野球教室を――。厚生労働省指定の難病「ベーチェット病」と戦いながらプロ野球選手となった元巨人投手の柴田章吾氏(30)がこのほど、東南アジアの貧困に悩む地域で継続的に野球教室を開催するプロジェクト「東南アジアBASEBALL PROJECT」を発足。クラウドファンディングで活動資金を募っている。「SMILES KNOW NO BORDER―笑顔は国境を知らない―」を理念として奮闘する柴田氏に話を聞いた。

「東南アジアBASEBALL PROJECT」を発足した柴田氏

難病を克服してプロへ

柴田氏は中学3年の時、原因不明の難病「ベーチェット病」を発症。40度の高熱や腹痛で入退院を繰り返し、医師からは命に関わる病気のため、野球はできないと通告されたがあきらめず、愛工大名電野球部に入部。3年夏にはエースとして甲子園に出場した。明大でも野球を続け、11年には育成3位で巨人に入団。プロ野球選手になると言う夢も達成した。
柴田氏は現在、フィリピン・マニラに設立したアカデミーを拠点として各地で野球教室を開催。U-10フィリピン代表の指導にも力を入れている。今回「路上で生活したり、アカデミーに入れず路上で野球をしたりしている子も多い。その子たちにも日本と同じような環境を与えてあげたい。活動を東南アジア全域へと広げていきたい」との思いで新たにプロジェクトを立ち上げた。

 

現在はマニラを拠点に活動

14年の巨人退団後はジャイアンツアカデミーで野球を教え、16年に外資系総合コンサルティング会社に就職。現地での野球教室は入社前に短期語学留学した際に野球を教えたことから始まった。
昨年10月に独立し、満を持してスタートしたプロジェクト。「可能性のある子をアカデミーで育て、プロ野球選手になってもらいたい。教育を受けられなかった子に野球を通じて人間形成をし、プロになれなくても立派な社会人になってもらいたい」という目的を描く。
長期的な視野に立つためクラウドファンディングの目標額は2000万円。資金はプロジェクトの運営や現地の野球環境の整備、野球道具の支給などに充てる考え。柴田氏は「高齢化に悩む日本において、東南アジアの若い力は将来必ず我々の助けになります。野球を通じ、未来に繋がるこの一大プロジェクトにぜひ皆さんの力を貸してください」と訴えた。クラウドファンディングの詳細はクラウドファンディングサービス「マクアケ」のプロジェクトページで。