兵庫県3チーム 新たなる挑戦‼
プロバスケットボール男子B2リーグ・西宮ストークスのB1昇格再挑戦シーズンが始まった。バレーボール女子Vリーグのヴィクトリーナ姫路は、きょう15日に今季開幕戦を迎える。また、この2チームとともに兵庫県内に本拠地を置く3人制プロバスケットボール(3×3)チーム「EPIC.EXE(エピック・ドット・エグゼ)」はレギュラーシーズンの日程を終え、来季に向けた準備に余念がない。
「全厚済」がサポート‼
3チームの挑戦を後押しするのが相互扶助事業を展開する「一般財団法人全国福利厚生共済会(全厚済)」。社会貢献活動の一環として、法人本部の拠点がある兵庫県プロ3チームのスポンサーをしている。代表理事を務める髙井利夫氏は「各選手の最良のパフォーマンスを期待しております。全厚済も節目の20年目に入っており、3チームと共に更なる成長をしていきます」とコメント、今後の飛躍を強く願っている。
Bリーグ
西宮ストークス
Ⅴリーグ
ヴィクトリーナ姫路
3X3プロバスケ
EPIC.EXE
STORKS
目指すのはB1再昇格だ。今季3年目を迎える西宮ストークスのマティアス・フィッシャーヘッドコーチ(50)は「選手同士のコミュニケーションも活発になってきているし、お互いをより知ることによって(チームに)いい化学反応が生まれてきている実感はある」と開幕前に手応えを話した。
今季は川村卓也(35)、中西良太(32)、シャキール・ハインズ(28)の3選手が新加入。中でも川村は、U―18日本代表や日本代表として数々の国際試合の経験を持ち「オフェンスマシーン」の異名があるほどの得点能力の高さが持ち味。B2の舞台は初めてだが「日々の練習の中でB1だったりB2だというところでレベルを感じるところはそんなにない」と適応に不安はない。
チームとしてはダブルキャプテン体制を敷いた。キャプテンとして5年目の谷直樹(33)は「また来年頑張ればいいやっていう年齢じゃないんで、毎年毎年ラストイヤーだと思って優勝、B1昇格を目指してやっている」とプレーオフで敗退した昨季のリベンジに意欲を見せる。チーム最年長の今野翔太(36)は「僕は裏方プラスというか、もちろん発言はしますが直樹を支えたい。今まで全部背負ってやってきたのでプレーに専念できるように負担を減らしてあげたい」と補佐的な2人目のキャプテン像のイメージだ。
本拠地での開幕シリーズは、熊本ヴォルタ―ズにまさかの連敗を喫してしまった。しかし、シーズンはまだ始まったばかり。新加入選手のチームへのフィットもより高まってくるはずだ。合言葉はB1昇格。全選手の心を一つにこれからの長いシーズンに臨んでいく。
▽西宮ストークス
兵庫県西宮市を拠点とするプロバスケットボールチーム。Bリーグが開幕した2016―17シーズンでB2王者となりB1に昇格したが、翌17―18シーズン17位で残留プレーオフの末にB2降格した。20―21シーズンは地区優勝を果たしたがプレーオフ準々決勝で仙台に敗れた。チーム名のストークスは、県鳥の「こうのとり」が由来。
♤川村 卓也(かわむら・たくや)
1986年(昭61)4月24日生まれ、岩手県出身の35歳。盛岡南高1年時に全国高校選抜優勝大会に出場。2、3年時はインターハイに出場した。3年生時はU―18日本代表主将を務め、FIBAアジアジュニア選手権に出場した。高校卒業後は実業団のオーエスジーフェニックスに入団、05―06シーズンのルーキーイヤーに新人王となった。以降、リンク栃木ブレックス、和歌山トライアンズ、三菱電機ダイヤモンドドルフィンズ名古屋、横浜ビー・コルセアーズ、シーホース三河を経て21年、西宮ストークスに入団。身長1㍍93、体重90㌔。ポジションはSG。
ヴィクトリーナ姫路
V1ベスト3入りへ 今季開幕戦で弾みをつける‼
V1参戦3年目を迎えるヴィクトリーナ姫路にとって今季は大事なシーズンとなる。
「結果目標自体は昨年と同じ。とにかく上位に絡んでいきたい。開幕当初はベスト4というところを掲げて、リーグ方式が最後はファイナル3と3チームが上位に行く形になるので、そこに絡めるように」
就任2年目の中谷宏大監督(41)は頂点を目指す姿勢は当然としつつチームの課題にも言及した。「選手個々の能力も随分レベルアップしたし、チームとしても力をつけたっていうのは実感できたというのが昨シーズンだった。ただ最後の勝敗に直結するところでは個の能力とか総合的なチーム力で上位に行くにはまだまだ足りない」
今年チームに求めるのはスピード感。全員が連動して動いていく中で勝機を見極める。そのために練習でもより実戦をイメージした動きを実践し、フィジカルトレーニングも強化した。
今季のスローガンは「Break」。貞包里穂主将(25)は「自分の殻を破る。一人一人が今までの自分とは違う自分を見つける、日々の積み重ねの中で殻を破ることを意識していきたい」と飛躍を誓った。
▽ヴィクトリーナ姫路
2016年設立の兵庫県姫路市を本拠地とする日本初の女子プロバレーボールチーム。日本でも競技人口の多い姫路でバレーボールを通して、さまざまな世代の教育や育成を目指す。創部3年目の2018―19シーズンでV2優勝を果たし、1部昇格を決めた。
JR姫路駅前にブランドカフェ「C―ups」
専属チアリーダーズのブランドカフェ「C―ups Cafe&Sports Bar」がJR姫路駅東口北側の商業施設「テラッソ姫路」4階にオープンしている。
「応援で地域を一つに」がテーマで店内には50㌅モニターを横に3つつなげた特大モニターが設置されており、スポーツバーとしても迫力の画像が存分に楽しめる。観戦帰りに立ち寄り、食事とともに試合結果を友達同士で話し合うのに絶好の場所だ。
EPIC.EXE
五輪で認知度UP 来期こそプレーオフへ
「EPIC.EXE」は今季、プレーオフ進出を逃しシーズンを終えた。8月にららぽーと甲子園で予定されていたホームゲームは非常事態宣言で中止。新型コロナの影響をもろに受けた厳しい2021年シーズンだった。東京五輪で3人制バスケットボール(3×3)の認知度は上昇。この追い風に乗ってチームの活動をアピールできるチャンスを活かせなかった。
中学の教員をしながらチームの主将を務める中村大輔(32)は「コロナ禍で思うように活動できなかった部分が大きかったですね。前半戦の立ち上がり悪かったんで、そのままズルズルと引きずってしまった感」と今季を振り返った。
3人制の認知度が上がったとは言っても、チーム運営は決して楽ではない。選手たちは生活の糧を得る仕事と掛け持ちでバスケットボールに情熱を傾ける。セルビア出身のアレクス・ミトロヴィチェ(32)も神戸市内で小学生に英語を教える語学教師だ。今は来季に向けてチーム力を上げる時期。来季の体制は年明け以降に決定される。