東京五輪へ ”金セントラル”

千葉県習志野市セントラルセントラルフィットネスクラブ谷津

セントラルフィットネスクラブ谷津の開業式典に出席した鈴木大地長官と記念撮影

水泳世界選手権銀メダル松元らの新たな強化拠点

東京五輪仕様の〝夢の城〟が誕生した。セントラルスポーツがこのほど千葉県習志野市にセントラルフィットネスクラブ谷津(ラボ・トレーニングセンター)をグランドオープン。総合スポーツクラブでは珍しい50㍍の長水路プールを備え、7月の競泳世界選手権男子200㍍自由形銀メダルの松元克央(22)ら所属競泳選手の新たな強化拠点となっている。1日に行われた開業記念式典には選手を始めOBで88年ソウル五輪男子100㍍背泳ぎ金メダルの鈴木大地スポーツ庁長官らが出席し、大いに盛り上がった。

50㍍の長水路プール

OB鈴木大地スポーツ庁長官 開業記念式典に出席 松元に期待

水を得た魚のように、〝カツオ〟が新拠点で躍動した。セントラルフィットネスクラブ谷津開業記念式典で行われた「〝想(おも)いをつなぐ〟スペシャルリレー」では松元、小日向一輝(24)、寺村美穂(24)、山根優衣(24)が同クラブのジュニア選手とチームを組んでリレーで対決。松元が大差を逆転する〝追いガツオ〟を披露して来場者を沸かせて見せた。

来年に控えた設立50周年記念事業の一環として、セントラルスポーツ谷津をリニューアルして誕生した同施設には50㍍プールに加え、選手専用のウエートルーム、寮、食堂などが完備。「東京五輪でのメダルの可能性を広げるために作っていただいたと感じている。感謝の気持ちを忘れず頑張りたい。銀(メダル)の上は金しかない」と決意を語る。

世界選手権男子200㍍平泳ぎに出場した小日向も「長水路で練習したかった。東京五輪のメダルが目標」と話す。16年リオデジャネイロ五輪女子200㍍個人メドレー代表の寺村は「東京五輪に出て次につなげていけたら」と語り、自由形の山根も「泳ぎやすくて、スタート練習もしっかりできて環境はすごくいい。感謝をしながらやっていく」と意気込んだ。かつては鈴木長官を指導、現在は松元、小日向らを指導する常務取締役の鈴木陽二コーチはあいさつで「このプールで切さ琢磨し世界の頂点に挑戦したい」と思いを込めた。

同市出身の鈴木長官は中、高時代は同クラブで練習を重ねていた。壇上では松元について「来年に向けて大きな期待の星が現れた」と語り、同クラブには「地域に根差し、選手の発掘とともに、住民の皆さんの健康増進に寄与されることを願っています」とエールを送った。会場には10月の世界選手権に出場する萱和磨(22)、谷川航(23)ら体操競技部の選手も登場し、式典を盛り上げた。

セントラルスポーツは1964年東京五輪男子100㍍自由形と4×100㍍自由形リレーに出場、リレーで4位入賞を果たした後藤忠治現代表取締役会長らが「世界に通用する選手を育てる」という〝想い〟で創業。〝想い〟を新たな時代へつなぐシンボルとなる新拠点。新時代は再び東京五輪から幕を開ける。

 

リレーに参加した松元

地域住民の健康増進にも大きな役割を‼

◯…リニューアルして生まれ変わったセントラルフィットネスクラブ谷津は1971年に初代の施設がオープンし3代目の施設となる。2代目の施設から同じ場所となったが今回、敷地面積は約1.7倍に拡張した。千葉・南行徳にある研究所機能の一部を移転し、セントラルスポーツ・ラボ・トレーニングセンターとしても活用。国内初となる運動時エネルギー消費量測定ラボスタジオも備え、会員のプログラム提供はもちろん、将来的には医療機関との提携で心臓病のリハビリテーションなどにも役立てることも視野に入れる。地域住民の健康増進にも大きな役割を果たしそうだ。

子供たちにサインする松元