バリバスカップ 芦ノ湖(神奈川)ニジマス・ブラウン等

 バリバスカップ2018スポニチ「芦ノ湖ルアー・フライ釣り大会」が4月21日、神奈川県箱根の芦ノ湖で開催され61人が参加した。ニジマスの部1位で60・5センチを釣り上げた佐藤隆之さん(41=会社員)が総合優勝を果たした。(笠原 然朗)

散りかけの桜に夏を思わせる日差しが降り注ぐ。好天に恵まれた大会には家族や親子で参加する選手たちの姿も目立った。
「例年になくよく釣れた」と大会のベースとなったフィッシングショップ・ノザキの野崎茂則さんが言う通り、桟橋前に設けられた検量所には次々と魚が持ち込まれてくる。
通りすがりの外国人観光客も思わずスマホで記念…の大物もいる。
優勝した佐藤さんは妻の良子さん(47=主婦)と愛息の璃青(りお)君(8=小3)と同船。“家族船”でハーリング。フライはゾンカー。トラウトの餌となるワカサギと似た泳ぎ方をする“鉄板”フライだ。
まず最初に掛けたのは良子さん。倉石で44・3センチの良型。続いて立石で佐藤さんが優勝魚を釣り上げ、最後にプリンスで璃青君が22・8センチを釣り、両親に続いた。3人そろってニジマスを手にした。
中学生の頃から行きつけの釣具店のお客さんに連れていってもらい芦ノ湖に通っていたという佐藤さんは普段、ここでサクラマスを狙っている。
だが家族で来たときは別。妻子の先生役を引き受け「釣りに来させてもらっている」感謝の意味から家族サービスに徹する。
勤めている会社には「優勝して新聞に載ると宣言して出場しました」と話す佐藤さんの横で璃青君は「(僕たち)チームだから」。
家族で心を一つにして“公約”を果たした。

 

 バリバスカップ2018スポニチ「芦ノ湖ルアー・フライ釣り大会」が4月21日、神奈川県箱根の芦ノ湖で開催され61人が参加した。参加選手たちの熱戦を振り返る。(笠原 然朗)

昨年の大会、54・5センチのニジマスを釣って優勝したのは千葉市の松本明さん(67)。今年も参加、50センチ、2・08キロ、でっぷり太ったニジマスを持って桟橋に帰ってきた。「プリンス前でフライのキャスティングでヒット。アンカーを下したところは底が見えたから多分水面下1メートルくらいで釣れたのでは…」
芦ノ湖の釣りは40年。惜しくも入賞を逃したが、表彰式ではバックミュージックを担当。「ノザキ・バンド」のキーボードとウクレレを任されている。ルアーを作ったり、楽器を奏でたり…ルアー、フライマンは多才!

横浜市の佐々木大輔さん(43=会社員)は大のブラウン好き。沈木や障害物の陰に潜んでいることが多いが、この日ボートを向けたのは箱根湾の神社下。釣り方は芦ノ湖ではおなじみの「グリグリメソッド」。グリグリッとリールを巻いては止めるを繰り返し。ガツンと13センチミノーにいい当たり。結構な引きだがお目当てのブラウンとはちょっと違う。ハテ何?水面を割って出てきたのは45・7センチ、1・48キロのブラックバス。これが他魚の部2位をもたらせた。

果報は寝て待て?ブラウントラウト部門3位は中島結衣さん(14=小田原市)。父の雅宏さん(52=会社員)と参加。トローリングで43・2センチの良型を仕留めた。「途中、ウトウトと寝ていたら掛かっちゃいました」とマイペースなスタイルで楽しんだ。吹奏楽部ではサックスを担当する中学3年生。「釣りも音楽も続けていきたい」と二刀流を誓っていた。また中島さんには女性賞としてシップスマスト製品セットも贈られた。

44・1センチでブラウントラウト部門2位に輝いたのは、わずか5歳の中央区の鈴木奎君。父・金炳樹(ピョンス)さん(50=会社員)の手ほどきで2歳から釣りの「英才教育」を受けている。トローリングで釣り上げた瞬間「やったー!今まで釣った魚の中で一番大きい」とボート上で喜びを爆発させたという。検量を終えた後も「強い引きで楽しかった。絶対に来年も来たい」と興奮が冷めなかった。

検量締め切りは正午だったが、午前10時30分に参加選手第1号で魚を持ち込んだのは御殿場市の遠藤貞紀さん(52=会社員)。釣果は32センチのニジマス。桟橋前でハーリング。フライはアオミドロ。大会開始直後の5時45分に掛けた。「風が強くなってきたので早上がり。体が重たいし…」。体重100キロの巨漢も2匹釣って納竿。

43・8センチのイワナを釣って他魚の部を制したのは市原市の李東遠(ドンウォン)君(8=小2)。大会にはお父さんの誠馥(ソンボ)さん(38=会社員)と参加。釣りを始めたのは今年の4月からだが7日に栃木県東古屋湖で開催されたスーパーレインボートーナメントの子どもの部でいきなり優勝。そして今回も…。「魚が引くのが楽しかった」と恥ずかしそうに話していたが、この少年、何か持っている。