シップスマストカップ 相模湾(神奈川)マグロ

 女性だけの釣り大会「スポニチ創刊70周年記念 シップスマストカップ2018レディース鮪(マグロ)チャレンジ」が9月16日、相模湾一帯で開催された。平塚・庄三郎丸の12、17、22、23号の4船に分乗した67人の参加者の中で、22号船の江東区・和田まりえさん(30=会社員)が9・5キロのキメジを釣り上げ総合優勝を果たした。(笠原 然朗)

9月の相模湾に花が咲いた。女性だけで満員の庄三郎丸に、行き交う僚船の男性釣り客たちも目をパチクリ。伊豆大島を間近に望むポイントに集結した約40隻の大船団の中で、“シップスマスト船”は華やかさも一番なら、釣果だって他船に引けを取らない。
「一度、マグロを釣ってみたい」という夢を胸に参加した48人の“貸し竿”組に交じって貫禄を見せつけたのは墨田区の入稲福(いりいなふく)佳寿巳さん(41)。釣り具メーカー「ハヤブサ」のフィールドスタッフで、今年5月に沖縄・久米島で46キロを筆頭に4匹のキハダを上げた実績を持つ。「タナ取りを正確に…」を心掛けて6キロの特大本ガツオを上げて総合3位。「女性でも安心して参加できるこの大会がマグロ釣りデビューの良いきっかけになればいいですね」とは“先輩”から参加者たちへのメッセージ。

カツオは釣れるがマグロが口を使わない状況の中、総合優勝の栄冠に輝いたのは“貸し竿”組の和田さんだった。「最初は何が掛かったか分からなかったんです。気がついたら糸が100メートルぐらい出ていて…」。船長、スタッフ、同乗したほかの選手の声援を背に魚と戦うこと約10分間。やっとタモに収まった魚に「やった。私にもマグロが釣れたんだ」。
釣りを始めたのは今年1月。「今年の夏の目標はキハダを釣ることでした」。魚は少し小さかったけど、夢はここでかなった。

 女性だけの釣り大会「スポニチ創刊70周年記念 シップスマストカップ2018レディース鮪(マグロ)チャレンジ」が9月16日、相模湾一帯で開催された。貸し竿で釣った48人を含め67人が庄三郎丸の12、17、22、23号船の4隻に分乗。当日の奮闘ぶりを特集!

「お父さん、びっくりしちゃうよ」と口をそろえていたのは23号船に乗っていた小平市の山口真奈美さん(33=会社員)と有里恵さん(32=同)姉妹。釣り好きの父・辰巳さん(66)に連れられ、小学生のころから投げ釣りを楽しんできた。マグロは初めてで「もし釣れたら…夢心地で参加」と真奈美さん。本命は釣れなかったが、まず4キロ級の本ガツオ。そして姉妹同時のヒット。「リールが巻けないほどの引きは人生でなかったので楽しめました」(有里恵さん)。これが4.4キロで船別2位。カツオが好物の辰巳さんに“敬老の日”のプレゼントとなった。

「新しいウエアを買おうと開いたシップスマストのホームページで大会を知りました」と話したのが12号船に乗船した多田亜沙美さん(29=自営)。釣り歴は4年。「小物釣りが好き」とこれまで狙ったのはカワハギやフグなど。「マグロを釣りたかったけどタックルが高くて手が出なかった」と貸し竿ありの大会はもってこい。本ガツオを3匹釣り、「今まで経験したことがない魚の引きでした」。

経験者の目立つ22号船は、特大本ガツオが朝から順調。結果、1人5匹を筆頭に船中17人25匹の大釣りに。そんな中、健闘したのが静岡からの遠征組だ。釣り歴10年、焼津市の三浦愛さん(31=地球おこし協力隊)は、師匠と慕う静岡市の鈴木聖美さん(27=会社員)と仲良く参加。口開けの第1号は鈴木さんで超ご機嫌だったが…。それもつかの間、直後に三浦さんが2連発。そのパターンが2セットあり結局、4―2で圧勝。三浦さんは船別2位に輝いた。

初ガツオ!ん?いや生涯初ガツオが5.2キロで総合4位。鎌倉市の林さつきさん(38=自営)はまだ2回目の釣り。1回目は「お盆に行ったシロギス」と大胆な挑戦だった。同市に住む井上綾乃さん(40=自営)、新宿区の新発田彩さん(39=会社員)とともに参加。三重のオマツリにもバレず上がってきた幸運に「ウソーッ、ヤッター。もうハマりますね」。ちなみに新発田さんも4.6キロを仕留め船別2位に。 (12号船)