第11回しまだ大井川マラソン㏌リバティ

1万364人がエントリー

スポニチ共催「第11回しまだ大井川マラソンinリバティ」は27日、静岡県島田市役所前をスタートし、大井川沿いのマラソン専用コース〝リバティ〟を経て同市陸上競技場をゴールとする42・195㌔などに1万364人がエントリーして行われた。フルマラソン男子は鈴木忠(31=スズキ浜松AC)が2時間17分30秒で2年ぶり2回目、女子は初マラソンの堀江紗希(23)が大会新記録の2時間44分31秒で優勝を飾った。10㌔男子は伊藤誠(22=木内建設)、女子は高橋伶奈(25=SMILEY)が制した。03年世界選手権パリ大会女子マラソン銅メダルの千葉真子さん(43)がアンバサダーとして大会を盛り上げた。

2年ぶり2度目 フルマラソン男子・鈴木

笑顔でフィニッシュする鈴木忠

娘の誕生が力 少しだけ笑みを浮かべてゴールを駆け抜けた。一昨年に大会記録で初出場Vの鈴木が2度目の参戦でも強さを発揮。4度目のフルマラソン制覇を達成した。

「一人で淡々と走れたことは良かった。ただ、後半のペースアップが課題だったが、最後は伸びなかった」。折り返し地点でトップに立っての独走も、反省は忘れなかった。

〝リバティ〟では妻・実沙希さんが昨年12月に誕生した長女・心晴(このは)ちゃんと見守った。14年アジア大会3000㍍障害出場の妻の徹底サポートを受けており、「すごく気を使ってくれる。自分では野菜を食べなかったが、強制的に食べさせてくれる。スムージーはすごくおいしい。2人の前で優勝できてよかった」と破顔した。

中学までは野球選手。拓大紅陵高で陸上をはじめ、中央学院大では箱根駅伝に3回出場。社会人では疲労骨折などを乗り越えさらなる成長を誓う。来年のシンガポールマラソン出場権もゲット。次は11月10日の福岡マラソンに出場予定で「もっと磨きをかけないと。スピードにゆとりをもたせたい」と気を引き締めた。

初出場大会新 フルマラソン女子・堀江

大会新で初優勝を飾った堀江紗希

2分7秒更新 最後の力を振り絞り、両腕を掲げながらテープを切った。スタート時気16度、曇り空の好コンディションの中、堀江が終始トップを守り、2位に2分1秒差の快勝。フルマラソン初挑戦でV、大会記録を2分7秒更新する快挙を成し遂げた。

「大会記録と優勝は狙っていた。沿道の応援も多くありがたかった。スタートから速く入って、折り返しでは2時間30分台をと思ったが、そこから足が動かなかった。うれしいが、練習不足です」

小学5年で陸上をはじめ、川崎橘高では恩師・原恵美子先生(現法政二高)と出会い、中距離を走りながら駅伝にも挑戦。松山大女子駅伝部1年時には全日本女子大学駅伝4区で区間2位も、以降は座骨や恥骨の疲労骨折など故障に苦しんだ。実業団入りは断念も「走れないと精神がおかしくなってしまう」。故障と戦った知識を生かし、愛知県豊橋市のスポーツクラブで働きながら自主練習、フルマラソンにたどり着いた。大会新記録の賞金30万円は貯金に充てる。「今は走れることが本当に楽しい。今後は2時間30分台が目標です」と笑顔を見せた。

<男子10㌔>伊藤スマイル初歓喜

大会新記録で初優勝した伊藤

昨年9位の伊藤が31分14秒の大会新記録で初優勝。2度目の挑戦で自己ベストを1分近く縮める力走を見せ、2位を4秒差で振り切った。勤務先である静岡市の木内建設のユニホームで出場。練習を行う見次クラブのメンバーで3位までを独占し「上位3人に入りたいと思っていた。持ち味はスマイル。今日もスマイル全開で積極的に攻めました」とにっこり。5000㍍をメインにしており、「次は来月の記録会で自己ベストを」と誓った。

<女子10㌔>高橋誕生日お祝い走

夫・直樹とともに出場し優勝した高橋

一昨年のフルマラソンに続く大会参加の高橋=同=が、25回目の誕生日に36分7秒で戴冠。先月のベジタブルマラソンハーフの部に続くVに「目標以上の結果で走れて良かった。誕生日の優勝は狙っていた」と喜んだ。浜松市在住で杏林堂薬局に勤務、同社のランニングプロジェクト「SMILEY ANGEL」で活動する。この日は昨年結婚した夫・直樹(27)とともに出場。次は1月の大阪国際女子マラソンで「2時間50分台を切れたら」と話した。

7回目参加 千葉ちゃん完走後押し

気勢を上げる千葉真子大会アンバサダー

○…7回目の参加となった大会アンバサダーの千葉さんは、開会式で「しまだは真のアスリートファーストで皆さんの完走を導きます」と決意表明。準備体操や「行きは下り、帰りは上り、午後からは風が出てくる予報を頭に入れて走ってください」などの丁寧なアドバイスでランナーを後押しした。DJケチャップとスタートを盛り上げた後はコースに飛び出しランナーを鼓舞。表彰式のプレゼンターでも軽妙なトークで魅了した。また作.AC北海道代表の作田徹氏、94年リレハンメル五輪スキー複合団体金メダルの阿部雅司氏(54)が招待選手として参加した。

参加ランナーにエールを送る染谷市長

染谷・島田市長 ランナーを激励 ○…大会会長の染谷絹代・島田市長(65)は開会式で「皆さまを心より歓迎申し上げます。ぜひ楽しんでいただきたい」とランナーを激励した。同市が誇るマラソン専用コース〝リバティ〟は交通規制も少なく、制限時間も7時間と初心者や女性にも最適。同市民を中心とした約2000人のボランティアの手厚いサポート、大エイドステーション、キリンビバレッジのiMUSE(イミューズ)が提供された給水や距離表示なども好評だった。レース後に島田駅周辺の飲食店では「しまだ乾杯タウン」と称した〝後夜祭〟も行われ、多くの人が訪れていた。

スポニチマラソンブースのグルメ好評

三浦国際市民マラソンブースをはじめにぎわう「おもてなし広場」

○…ゴール地点付近では交流イベントとしておもてなし広場「しま旨っ!」が開催された。スポニチマラソンサミットを通じて友好関係にある神奈川・三浦国際市民マラソン、茨城・かすみがうらマラソン、山形・果樹王国ひがしねさくらんぼマラソンのブースは大にぎわい。三浦名物のトロちまき(350円)、かすみがうらのれんこん(100円)、ひがしねのラ・フランス(200円)などが飛ぶように売れていた。

▽主催
しまだ大井川マラソンinリバティ実行委員会
▽共催
スポーツニッポン新聞社ほか
▽特別協賛
中部衛生検査センター、島田掛川信用金庫、サカイ産業、スポーツプラザ報徳、ウエルシア薬局、フジドリームエアラインズ、OUTDOOR PRODUCTS、キリンビバレッジ、エアアジア・ジャパン

<10月30日付 スポニチ紙面掲載記事>

ギャラリー

※安全上の理由から完走状に記載された氏名部分を加工しております。皆さまのご理解とご協力をお願い申し上げます。

次ページ 10月28日付スポニチ紙面掲載記事

男子・鈴木、女子・堀江が優勝

優勝を飾り、笑顔でメダルを手にする鈴木と堀江

スポニチ共催「第11回しまだ大井川マラソンinリバティ」は27日、静岡県島田市役所前をスタートし、大井川沿いのマラソン専用コース“リバティ”を経て同市陸上競技場をゴールとする42・195キロなどに1万364人がエントリーして行われた。フルマラソン男子は鈴木忠(31)が2時間17分30秒で2年ぶり2回目、女子は堀江紗希(23)が2時間44分31秒で初出場初優勝。10キロ男子は伊藤誠(22)、女子は高橋伶奈(25)が制した。03年世界選手権パリ大会女子マラソン銅メダルの千葉真子さん(43)がゲスト参加し大会を盛り上げた。(詳細は30日付紙面に掲載)

娘の応援を力に

男子フル〉スズキ浜松ACの鈴木が初出場優勝の一昨年に続く快走を見せ、4度目のフルマラソン優勝を達成した。折り返し地点からトップに立ち、「後半伸びきれず狙い通りではなかったが、淡々と走ることができた」と振り返った。元陸上選手の妻・実沙希さんと昨年12月に誕生した長女・心晴(このは)ちゃんの応援を受け「優勝したいと思っていた」と笑顔。次は11月10日の福岡マラソンに出場予定で「2時間10分を切りたい。もっと磨きをかけないと」と力を込めた。

初出場で大会新

女子フル〉フルマラソン初出場の堀江がスタートからトップを守り、大会新記録でV。「優勝と大会記録は狙っていた。沿道からの応援も多くうれしかった」と笑顔を見せた。松山大女子駅伝部1年時に全日本大学女子駅伝に出場も、その後は座骨や恥骨の疲労骨折など故障に苦しんだ。それでも走ることを諦めず、愛知県豊橋市のスポーツクラブで働きながら、練習を積みフルマラソンへたどり着いた。「今走れることが楽しい。今後は2時間30分が目標」と目を輝かせた。

男子・伊藤 女子・高橋V

男女10キロ〉男子を制した伊藤は9位だった昨年に続く2度目の出場で自己ベストを1分近く更新。大会新記録で優勝した。「スマイルがモットーなので、今日もスマイル全開で積極的に攻めた」と喜びを爆発させた。女子を制した高橋は一昨年のフルマラソンに続く大会参加で、この日が25回目の誕生日。夫・直樹(27)とともに出場し「37分を切れればと思っていた。誕生日の優勝を狙っていたのでうれしい」と笑顔で語った。

男子フル (1)鈴木忠2時間17分30秒(2)松本翔2時間19分21秒(3)中野哲也2時間31分25秒(4)徳山雄太2時間32分2秒(5)広谷優一2時間32分5秒
女子フル (1)堀江紗希2時間44分31秒(2)土屋直子2時間46分32秒(3)河村奈津紀2時間59分7秒(4)加藤綾子3時間1分37秒(5)小長井祐美子3時間4分41秒
男子10キロ (1)伊藤誠31分14秒(2)枝村高輔31分18秒(3)片山優人31分52秒(4)大沼生33分6秒(5)桜井史33分7秒
女子10キロ (1)高橋伶奈36分7秒(2)河合さおり37分37秒(3)河村英理香38分0秒(4)佐野亜友美39分26秒(5)鈴木沙恵里40分22秒
▽主催
しまだ大井川マラソンinリバティ実行委員会
▽共催
スポーツニッポン新聞社ほか
▽特別協賛
中部衛生検査センター、島田掛川信用金庫、サカイ産業、スポーツプラザ報徳、ウエルシア薬局、フジドリームエアラインズ、OUTDOOR PRODUCTS、キリンビバレッジ、エアアジア・ジャパン

<10月28日付 スポニチ紙面掲載記事>

 

次ページ 大会開催前掲載大会要項

フラットなコース、フルでも安心の制限7時間

大井川に整備された、全国初のマラソン専用コース「リバティ」を舞台に、長距離陸上競技の合宿のメッカである静岡県島田市で開催されるフルマラソン大会。制限時間は7時間と初心者にも安心の設定。

フルマラソンは市街地からマラソンコース「リバティ」へ
島田市役所前をスタートし、市街地を走り抜け”リバティ”へと続くフラットなコース設定。ベテランランナーは記録を狙えるコースで、フルマラソン初挑戦の初心者ランナーには完走を目指す絶好のコース。 “リバティ”は実業団・大学陸上部の合宿のメッカで、年間を通して様々なトップアスリートが利用している。

フルマラソンは給水・給食サービスも充実
第12ステーション「通称:大エイドステーション」は、33km付近に設置される給水・給食ステーションで、長時間走っているランナーの空腹を満たす。 小饅頭、おにぎり、おでん、焼きそば、いなり寿司、ミニチキンラーメン、おかゆ、スープ、しまだ汁…などなど、30種類にも及ぶメニューでおもてなしのこころでサポートする。 また第6ステーションでは「フルーツステーション」として、メロン、パイナップル、神座みかんなどを提供する。

充実のイベント、完走塾も年4回

フルマラソン完走サポート「しまだ大井川マラソン完走塾」を開催
本大会にエントリーをいただいたビギナーや女性ランナーをはじめ、全てのランナーを対象にSWACによるランニングクリニックを大会コースで7月~10月(計4回)に開催します。 経験豊富な講師陣が、練習方法から調整方法までフルマラソン完走や記録更新をバックアップします。また、大会コースの攻略法を伝授します。

開催日:2019年10月27日(日)

会 場:島田市役所前スタート

大会情報 エントリー しまだもてなし隊 イベント情報 アクセス・交通規制 質問

関係団体

主催: しまだ大井川マラソンinリバティ実行委員会
(静岡県島田市産業観光部観光課内)
電話0547-36-7399 Email:kankou@city.shimada.lg.jp
共催: スポーツニッポン新聞社ほか
主管: 島田市陸上競技協会
後援: 静岡県、静岡県教育委員会、国土交通省静岡河川事務所、藤枝市、藤枝市教育委員会、焼津市、焼津市教育委員会、川根本町、川根本町教育委員会 (一財)静岡陸上競技協会、島田市体育協会、島田市校長会、島田市スポーツ少年団、島田市スポーツ推進委員会ほか

特別協賛: 中部衛生検査センター、島田信用金庫、サカイ産業、スポーツプラザ ホウトク、ウエルシア薬局、FDA、アウトドア

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