大会結果 5月29日スポニチ紙面:レース

第39回山中湖ロードレース(スポーツニッポン新聞社など主催)が26日、山梨・山中湖畔のコースに1万3242人がエントリーして行われた。ハーフマラソン(21・0975㌔)一般男子は桃沢大祐(26)が1時間8分37秒で初優勝、同女子は山口遥(31)が1時間15分27秒の大会新記録で9連覇を達成した。山中湖一周(13・6㌔)一般男子は丸山竜也(24)が大会新記録の42分30秒で初優勝を飾り、同女子は小田恵利(35)が52分16秒で初優勝した。

桃沢凱旋V 山梨学院大出身「見ると帰ってきたなと」

一般男子ハーフ、トップでゴールに飛び込んだ桃沢

<一般男子ハーフ>今年の日本選手権1万㍍にも出場した最強市民ランナー桃沢が山梨学院大時代に4年間を過ごした〝第2の古里〟で凱旋V。「想像以上の暑さだったが、富士山を見ると帰ってきたなと思います」と大粒の汗をぬぐった。

猛暑のレースを想定通りの先行逃げ切りで勝ちきった。「メンバーを見て、最初から行こうと思っていた」とスタートから飛び出すと、後続をぐんぐん突き放した。折り返し地点で道を間違え、約30秒失うアクシデントも関係ないほどのリードでぶっちぎった。

大学時代は箱根駅伝の6区山下りを担当した。2年生の区間18位の惨敗から、2年後の4年生のラストランで区間5位まで成長した努力家だ。実業団からも誘いがあった中で、地元長野で現役を続けることを選択。現在は伊那市の「サン工業」で半日仕事、半日練習というスケジュールで練習に打ち込み、5月19日の全日本選手権では1万㍍に出場して実業団選手と競り合った。

大学の同期で18年ジャカルタ・アジア大会金メダリストの井上大仁(26=MHPS)に勝つことを最大目標に掲げる。「ゆくゆくはワールドマラソンメジャーズの舞台で井上に勝ちたいです」。太陽のような明るい笑顔で明快に答えた。

 

一般男子一周で優勝した丸山

丸山大会記録 “復調”手応え<一般男子一周>カンカン照りの過酷なレースでも丸山が大会新記録で初V。「最近結果が出せていなかったので、この優勝をよいきっかけにしたい」と振り返った。会社勤めのため、普段は約20㌔の帰宅ランでトレーニングを積んでいる。「次は延岡西日本マラソンを狙って頑張りたい」と浮上の手応えをつかんでいた。

壮年男子ハーフを制した及川

及川 肋骨ひび乗り越えV6<壮年男子ハーフ>及川が男子では前人未到の6連覇を達成。「6年も勝ち続けられてうれしい」と笑顔を見せた。大会前に自転車で転倒し、左肋骨にひびが入る不運に見舞われた。呼吸も苦しかったというが急ピッチで間に合わせた。「女子選手に負けてしまった。もう年かな」と冗談めかすが、その目は7連覇を見据えていた。

壮年男子一周優勝の礒間

貫禄見せV3 磯間次は世界<壮年男子一周>礒間が熟練の走りで3連覇を達成。「昼練習をしていたので暑いのには慣れていた」と夏日にも対策万全だった。今年、マスターズM55の部でハーフ日本新記録を更新。以前と比べ月間走行距離は300㌔と練習量は落ちたが、その分は質でカバーしている。「日本一の次は世界一を狙いたいね」と威勢よく語った。

山口9連覇 「狙って獲った大会新」後続8分ぶっちぎり

一般女子ハーフを1位でゴールする山口

<一般女子ハーフ>山中湖の女王が圧巻の走りを見せ、前人未踏の9連覇を達成した。山口が大会記録(1時間17分21)を2分近く更新し、新記録を樹立。2位と8分差をつけ、他を寄せ付けない強さを見せた。「優勝はもちろん、大会記録を狙っていた。長い間レースに参加しているが、やっと更新できてうれしい」と喜びを爆発させた。

アップダウンの激しいコースに加え、今年は上昇し続ける気温と焼け付くような日差しがランナーを苦しめた。悪条件のそろったレースだったが「坂や暑さに苦手意識はない」と一蹴。どんな気候でも練習を重ね、去年よりクロスカントリ―の本数を増やすなどしてきた。「環境や条件に左右されないでレースに臨めるよう準備してきた。成果が出た」と手応えを感じている様子だった。来年はついに2桁の大台が見えてきた。「このままの調子で優勝して10連覇を目指したい」と女王の座を譲る気はない。

次に参加するのは、6月1日にスウェーデンで開催されるストックホルムマラソン。「目標タイムは2時間36分台。順位にもこだわりたいが、後半崩れずにいかに走りきることができるか確かめたい」と、すでに次のレースを見据えていた。

 

一般女子一周初優勝の小田

マイペース小田歓喜初V<一般女子一周>初優勝を飾った小田=写真=は「景色を楽しみながら、マイペースに走れて良かった」と振り返った。途中給水場で他のランナーに道をふさがれて、給水が取れないというトラブルに見舞われるも「暑いなかで不安だったが、無事に完走できた。タイムを縮めてまた来年も優勝したい」と意気込みを語った。

壮年女子ハーフ初優勝の木村

3度目正直木村夢みたい<壮年女子ハーフ>出場3度目で初優勝を果たした木村=写真=は「とにかく暑かった。完走できたことはもちろん、優勝できて夢みたい」とほっとした表情を見せた。今大会の目標は40分を切ること。達成することはできたが「このタイムで1位はびっくりだった。来年はタイムを縮めて実力で優勝したい」と闘志を燃やした。

壮年女子一周3連覇の谷

宿敵を破り会心3連覇<壮年女子一周>過去7回出場の谷=写真=が3連覇を果たした。「熱中症が心配だったが、たくさんの人に応援されて楽しく走ることができた」と笑顔を見せた。今大会で吉田裕美子賞を受賞したライバルの弓削田とラストの坂道で対決。「離されていたが追いついた。かなりきつかったが勝てて良かった」と流れる汗をぬぐった。