バリバスカップ 東京湾(東京)タチウオ

 スポニチ創刊70周年記念「バリバスカップ2018スポニチ東京湾タチウオ釣り大会」が9月24日、東京湾で開催された。参加者121人は第二泉水、吉野屋、吉久、ミナミ、中山丸から出船した6隻に分乗。第二泉水に乗船した東大和市の大塚健司さん(46=自営業)が117・1センチを釣って総合優勝を果たした。(笠原 然朗)

潮の流れが速いことから「走水(はしりみず)」。昔から東京湾を行き交う船にとって航海の難所としても知られている。そんな走水沖にはすでに50隻近い大船団ができていた。
午前8時40分、第二泉水の小倉裕士船長が船をとめたのは68メートルダチ。船からは一斉に仕掛けが投入された。
鋭い歯を持つタチウオだが、餌の捕食は下手。最初に魚信があってもなかなか食いこまない。時に20メートルにわたって餌を追いかけ、やっとハリ掛かりに至ることも。
右舷大ドモに陣取り「ノーテンションフリーフォール」釣法で釣っていたのが優勝した大塚さんだった。「当たりがあるまではリールを2分の1回転ずつ巻き上げ、当たりが出たら巻き上げスピードを4分の1回転ずつに変える。これを食い込むまで続けます。餌を離してしまったらそこで叩いて、1秒止めて合わせました」。「大物を釣るのは運」と言いながら正確な釣技で優勝魚を釣り上げた。
海釣り歴20年で、得意は「イカ全般」。「特にマルイカ釣りが好きですね」とこの日もイカ釣りの“弟子”ら7人で大会に参加した。
「船席抽選で仲間と近くの席になり、リラックスして釣れました」。師匠の面目を保つ優勝に「こんなに大きな大会で優勝するのは初めての経験です」と喜びを語っていた。


      スポニチ創刊70周年記念「バリバスカップ2018スポニチ東京湾タチウオ釣り大会」が9月24日、東京湾で開催された。参加者121人は第二泉水、吉野屋、吉久、ミナミ、中山丸から出船した6隻に分乗。各選手の奮闘ぶりを特集します。(笠原 然朗) 

1メートル超級の食いが渋い中、早々に108センチが出た。「2日前に参加した大会では9位。今日もいい線いくかも…」。好スタートにほほ笑んだのは、横浜市の会社員坂野優美さん(50)。タチが大好きで月5、6回ペースで海へ。「かつての大会で幻の3位消滅事件が…」と坂野さん。審査は1匹検量。クーラーに入れた時にはあった長い尾の先が、10センチほど消えている。頭をそろえて入れていなかったために、共食いされたらしい。それを教訓にこの日は頭をそろえたのが功奏し被害なし。結局、この1匹が船別1位に輝いた。 (中山丸)

吉野屋は、ルアー船2隻の出船。練馬区からの参加で、2号船に乗船していたのは会社員の寺山幸兵さん(48)と小学校6年生の右恭君(11)親子。昨年の大みそかに、初めてのタチウオジギングで“ドラゴン”を釣り上げてすっかりはまったらしい。そしてこの日、ジグへの反応が全体に鈍い中、結果は「僕4匹」。一方幸兵さんは「1匹です」と微妙に悲しい目でほほ笑んだ。右恭君は、抽選会でウナギのかば焼きもゲット、おいしい大会になった。 (吉野屋)

太いつえを突いて、よっこらしょと席に着いたのが三鷹市の宮内俊幸さん(77)だ。脊柱管狭さく症に耐えながらフリーの特権を生かし?「月に3、4回」通ってくる常連さん。あいにくオマツリなどの不運も重なり絶不調。後半、何と型を出し面目を保った。「100メートル歩くのしんどいが、釣りがなかったら私は…」。潮風は良薬なのかもしれない。(ミナミ)

吉久ではベテランの味がさえた。東京湾に毎週のように通っているという、釣りキャリア40年以上の足立区の加藤公夫さん(80)が「大物は底狙いで」と朝一番に111・2センチをゲット!船別1位に輝いた。「健康のために釣りをしているのでたとえオデコでも気にしません」と笑顔で話すが、言葉とは裏腹にその存在感を大きく示した。(吉久)

第二泉水で大型を連発していたのが船別2位の中央区の会社員、鈴木一美さん(60)。「魚との駆け引きが楽しいからタチウオ釣りは大好き」と話す。だが「ジギングのように餌を動かして45メートルで当たりを出し25メートルで掛けたことも。腕が疲れちゃった」。(第二泉水)

船中一番の“元気印”が市川市の堀切由香子さん(45)。看護師で「勤務先はナイショですが入院施設がある病院の救急外来で働いています」。1カ月に夜勤が8回。その合間を縫って釣りを楽しんでいるのだとか。「私ってタフでしょ?」。病院では周りから「怖い」と思われているそうだが終始、笑顔が絶えることがなかった。(第二泉水)