映画業界について語る、しんのすけです
映画業界がサボってきたこと その1
コロナ禍により映画館に休業要請が出て、去年に続き現在も東京と大阪の映画館が閉まっている。昨年2020年の映画業界全体の興行収入は約1432億円。この数字は、2019年の2611億円の約半分の数字だ。これだけで、どれだけの打撃を受けてしまったのかは想像がつくだろう。
すべてコロナが原因なのかと言うと、私はそうは思わない。これは、平成の映画業界の怠慢が一気に押し寄せ、問題が顕在化した好機なのである。いろんな問題があるので全部書いているとキリが無いが、自分が活動している「映画感想TikToker」という肩書きに一番近い問題について今回は書くことにする。
それは「一般人に向けて映画文化を発信する人が少ない」問題である。思い浮かべてほしい。一体いまマスメディアで映画ファン以外に映画情報や映画の良さを発信している人は何人いるだろうか。私がパッと思いつくのは、タレントのLiLiCoさん、有村昆さんの二人のみだ。さらに、その二人は一体どのメディア、媒体で映画の発信をしているのかというと、自分のウェブメディア等がメインで、日本でいまだ一番影響力のあるテレビで、映画情報がメインの番組は全国地上波では一つも無いと言っても過言ではない。
普段映画をあまり観ない人は、所謂有名人が出ている大作映画しか存在を知る機会に遭遇しないのだ。バラエティ番組に主演が番宣し、映画の存在を知る。情報の導線は、バラエティ番組かCMしかない。面白いと思う映画に出合う確立が著しく下がってしまっている。これは、大作が面白くないと言っている訳ではなく、自分に合う映画に出合う機会のことだ。
大作でも規模が小さい映画でも、フラットに扱う映画情報番組が何故存在しないのか。そして、その映画文化のアイコン的存在を作らなかったのは何故なのか。既存の映画ファンにしかターゲットを向けず、新しい映画ファンを開拓することを怠ってきた映画業界最大の怠慢である。
だからこそ、今自分が持つTikTokフォロワー46万人という数字の影響力は、アルゴリズムも相まって一つのメディアとして自分も扱っている。有村昆氏が不在の今、改めてこの問題の解決を急ぎ、自分自身も活動をさらに活発にして映画業界の明日を必死に考えなければ、と思うゴールデンウィーク終わりの土曜の夜だった。