ヴィクトリーナ姫路
兵庫県３チームの挑戦が始まる！
兵庫県から飛躍を期する３チームの挑戦が始まる。日本初の女子プロバレーボールチームのヴィクトリーナ姫路は、10月17日開幕のＶリーグで初の４強入りをかけた戦いに挑む。プロバスケットボール男子・Ｂリーグの西宮ストークスは10月10日からＦＥ名古屋とのホーム開幕の２連戦。２０１７－１８年以来、３季ぶりのＢ１昇格を狙う。西宮市を中心に活動する３人制プロバスケットボールチーム「ＥＰＩＣ．ＥＸＥ（エピック・ドット・エグゼ）」は、新型コロナウイルスの影響で今季のレギュラーシーズンが中止。現在は11月に出場予定の大会に向けて練習に励んでいる。
中谷新監督が就任 フィジカル徹底強化
ヴィクトリーナの〝第２章〟が開幕だ。
２０１６年のチーム創設から指揮を執った元日本代表の竹下佳江監督が３月に退任し、球団副社長に就任。新たに１７年からアシスタントコーチを務めた中谷宏大監督が指揮を執る。チームは地域リーグ、Ｖ２を勝ち抜いて、創設４年目の昨季に初めてトップリーグを経験。３勝１８敗で最下位に終わったが、中谷監督は先を見据えたビジョンを描く。
「今季はＶ１でベスト４入りが目標。その上で２３年に優勝、そして２４年のパリ五輪に１人でも多くの選手を輩出したい」
６月に監督に就任し、まず取り組んだのはフィジカル面の強化だ。Ｖ１での初年度を振り返り「守備は通用したと思うが、攻撃ではほとんどの数値が最下位。アタックに関しては個人の力を上げる必要がある」と分析。ラグビートップリーグの神戸製鋼などでトレーナー歴を持つ西原俊一コーチを招へいし、ウエートトレーニングや走り込みなどのメニューを増やした。「日本では、スラッとした選手が多いけど、世界に目を向ければそれではダメ」。創設から掲げるスローガン「姫路から世界へ」を思えば、当然の選択だった。
チームの転換期に主将を任されることとなった入団３年目の貞包は「新しいチームを作り上げる過程に携われることはうれしい」と大役を歓迎。新たに８選手が加入し、平均年齢２３歳という若い陣容に「もっと成長できるし、若さを強みにしたい。いい形で準備ができているので、どのくらいできるのか楽しみ」と腕をぶした。
プロである以上、結果を求められるのが当然の世界だ。貞包主将は覚悟を口にした。「自分次第で結果は変わる。限界を決めずに最後まで諦めない姿勢を見せて、感動したと言ってもらえるチームを作り上げたい」
新たなるステージへ――。新生ヴィクトリーナの戦いに注目だ。
眞鍋オーナー 「プレッシャーを楽しんで戦って」
○…竹下前監督からバトンを受け取った中谷監督について真鍋政義オーナーは「竹下は女性ということもあり気配りなどにたけていた。竹下のいいところを引き継ぎながら、プレッシャーを楽しんで戦ってほしい」と期待を寄せた。今季は真鍋オーナーの肝いりで、ユニホームにテニスで一般的なスコートをリーグで初めて導入。「僕たちは女子プロチームなので、女性が力強く、美しいと思ってもらえることも大事」と力説した。
＜ヴィクトリーナ姫路・中谷監督＞
♤中谷 宏大（なかや・こうだい） １９８０（昭５５）年８月５日、長野県辰野町出身の40歳。早大卒業後、03年にＦＣ東京に入団し10年に現役引退。以降はＦＣ東京や女子日本代表の年代別のコーチを歴任。17年から姫路のアシスタントコーチを務め、20年６月に監督に就任。
＜ヴィクトリーナ姫路・貞包主将＞
♡貞包 里穂（さだかね・りほ） １９９６（平８）年４月13日、佐賀県嬉野市生まれの24歳。鹿児島実から東海大を経て、18年に姫路に入団。19年のユニバーシアード競技大会では日本代表として銅メダルに貢献した。ポジションはアウトサイドヒッター。１㍍71。
＜ヴィクトリーナ姫路＞
▽ヴィクトリーナ姫路 ２０１６年設立の兵庫県姫路市を本拠地に活動する日本初の女子プロバレーボールチーム。日本でも競技人口の多い姫路でバレーボールを通して、さまざまな世代に教育や育成を目指す。創部３年目の２０１８―１９年にＶ２で優勝し、１部昇格を果たした。
