仕事とプロポーカーの両立

つぐ兄のコラム-3

私は常に海外にいると思われている方も多いようだが、実際は日本で仕事をしながら、まとまった休みを取り、年に4、5回、合計40日ほどポーカーの大会の為に海外に行くというサイクルをここ4、5年続けている。
つまり、専業のポーカープロではない。よく「そんなに勝てるならポーカーを専業にしないのですか?」と言われるが、先に伝えたように、ポーカーは負ければ収支がマイナスになることが厄介な競技であるため専業にしていない。

僕の場合、仕事があっての趣味のポーカーが肌に一番あっている。ポーカーを初めて3年目くらいの時に、マカオでポーカーによって生計を立てられるか挑戦したことがある。結果は5-10のレートで、滞在10日間でポーカーのみなら300万円ほど勝った。
しかし、昼夜逆転で精神的にも相当疲れ体がズタボロになり「僕には向いてないな〜」と思い、それを最後に専業のポーカーは無いと判断して辞めた。
それからは仕事をしながら、毎月バンクロール(貯金)を貯めては、海外の大会にチャレンジする様になった。

ポーカーはひと昔前のゴルフの様なものだなと思うことが良くある。ゴルフが流行りだした頃は、お金持ちの趣味という傾向が強く、ましてプロというものも存在しなかった。日本における競技ポーカーは正に、そのゴルフが流行りだしたその時と同じ状況にあると私は思っている。
つまり、今ポーカーを覚えればチャンピオンやプロに進むことができる「可能性がある」と思う。ひと昔前の僕たちの幼少期にテレビゲームがeスポーツとなり、賞金が出るような大会になるとは誰も想像もしていなかったし「小中学生が将来なりたい職業」ランキングの上位に入るとは思っても見なかった。
eスポーツは職業になりつつあるが、まだまだ安定した収入にはなっていない。eスポーツでプロとしてスポンサー契約を持っている人は殆どいない。

僕は今年の1月から「AJPC」(全日本ポーカー選手権)と日本企業初のプロ契約し、同年4月からは世界でトップ3に入るプロチームの「natural8」と契約。さらに、スポーツニッポン新聞社(スポニチ)ともプロ契約させていただいている。
僕の役割はこのeスポーツ、特にポーカーの世界を日本中に浸透させ、プロ契約だけで生計を立てられて、海外の大会にずっとチャレンジ出来るような環境を作りたいと常々思っている。つまりはポーカーの普及と、日本企業と契約をどんどん結び、CMに出てるスポーツ選手のような地位をポーカーで作りたい。
そんな世界を夢見て僕はこれからも世界で走り続ける。