日本女子ソフトボールリーグ0906

38歳鉄腕レジェンド上野 開幕戦KO7年ぶり
荒れ荒れ4回7安打6失点

神奈川県大和市の大和スタジアムで開幕節の残り3試合が行われた。昨季優勝のビックカメラ高崎はトヨタ自動車と対戦。日本代表のエース上野由岐子(38)が先発したものの、4回7安打6失点で敗戦投手となった。開幕戦でKOされたのは13年のトヨタ自動車戦以来、7年ぶりの“珍事”となった。

 

新球試投「しっくりこなかった」

数々の記録を打ち立ててきた上野も人の子だ。3死球を与え、2つの捕逸でリズムを崩した。1球の制限時間「20秒」をオーバーして1ボールを宣告される“らしくない”四球で、ピンチを広げる場面もあった。4回7安打6失点。1回2失点で降板した13年のトヨタ自動車戦以来、7年ぶりに開幕戦の先発でKOされた。

「先制点をもらった後にすぐに逆転されて、みんなに申し訳ないです」

精彩を欠いた原因の一つは、東京五輪延期で取り組んだ新しい球種にあった。100キロ台のカット系のボールを、リーグ戦最大のライバルとなるトヨタ自動車に試し、乱れた。自身は球種名に言及しなかったが「早いカウントでも、追い込んでからも使った」と振り返り、「しっくりくる球はなかった」と悔しさをかみ殺した。

それでも、五輪延期の戸惑いを払拭(ふっしょく)し、現状維持ではなくスキルアップという道を選んだのは38歳になった上野自身だ。コロナ禍の活動制限中にはヨガも取り入れ、成長のヒントを探し続けた。数少ない有観客試合で「ファンの皆さんにふがいない投球を見せてしまった」と自らを責めたものの、日本代表のエースが苦い経験を抱えたまま終わるはずがない。 (倉世古 洋平)

◇神奈川大会

ビックカメラ高崎(1敗)

100 000 0─1
230 104 X─10

トヨタ自動車(1勝)

(ビ)上野、浜村、勝股―我妻
(ト)後藤、江渡、三輪、ペツコヴァ―切石
[本]市口(ビ)

3打席連続適時打 古沢上野撃ち

〈トヨタ自動車〉
新4番の古沢が上野から3打席連続適時打を放った。「強気で打席に立った。主軸としての役割を果たせたと思う」。初回は詰まりながらも中前へ運び、2回は前進守備の右翼手の頭を越す三塁打。4回は上野が打球をはじき内野安打となった。しぶとい打撃で3打数3安打4打点。勝利に貢献し、主将は胸を張った。

 

パズル効果だ 山科V二塁打

〈SGホールディングス〉
4番の山科主将が試合を決めた。無死二塁から始まるタイブレークに突入した8回、2死後に左翼線へ決勝二塁打を放った。「そこまで打てていなかった。ワンチャンス、ここで決めようと思った」。コロナ禍で活動ができない間、1000ピースのパズルに没頭し集中力を磨いたという効果が、いきなり表れた。

SGホールディングス(1勝)

000 000 11─2
000 100 00─1

戸田中央総合病院(1敗)

(S)パーナビー―山科
(戸)テーラー―坂本

 

昨季2部で9勝無敗 藤嶋1部の洗礼6回途中5失点

〈日本精工〉
3年ぶりの1部で白星発進はならなかった。昨季2部で9勝無敗だったエース藤嶋が、伊予銀行の新人4番・安川に2発を浴び6回途中5失点で降板。「(初回)2死から本塁打を浴びてしまい、流れが悪い試合だった」とうなだれた。チームのスローガンの「下克上」を成し遂げるべく奮闘する右腕は「後悔のない投球をしたい」と逆襲を誓った。

日本精工(1敗)

001 000 2─3
200 003 X─5

伊予銀行(1勝)

(日)藤嶋、山田蓮―鬼沢
(伊)庄司―安川
[本]安川2(伊)