「責任あるゲーミング」への取り組み 日本市場では、最先端の技術的ソリューションも必要

前回の記事では、豪アジェンダ・グループに所属するゲーミング規制の専門家、ピーター・コーエン氏に「責任あるゲーミング」の意味とその重要性について、基礎的な内容を解説していただきました。今回は続編として、多くの統合型リゾートが運営されているマカオ市場のゲーミング規制を読み解き、ギャラクシー・エンターテインメント・グループ(GEG)の取り組み、さらに新しい市場となる日本での「責任あるゲーミング」に関する展望について語っていただきます。GEGは、マカオで展開している従業員向けトレーニングなど様々な事例を、日本でも有用な知的財産として活用し、政府、コミュニティ、従業員など全ての関係者と密に協力し世界最高水準の「責任あるゲーミング」を確立していきたいと考えています。

マカオ市場の規制とGEGの「責任あるゲーミング」に関する取り組みについて

全ての法制度は地域によって異なります。地域特性があるためどの規制が優れているかを判断することは難しいでしょう。しかし悪影響を最小化し依存症対策の確立に尽力している地域があることは事実であり、なかでもマカオは規制強化に努め、かつ継続的改善を怠らない市場と言えるでしょう。

マカオでは様々な取り組みが実施されている

マカオと他地域を比較すると、マカオではゲーミングの悪影響を最小化するツールとして、科学的根拠に基づいた「自己排除プログラム」が導入されています。これは、ネバダ州では実施されていないものです。また、マカオではゲーミング中の喫煙は禁止されていますが、シンガポールやネバダ州ではそのような規制はありません。一般的に、禁煙は公衆衛生対策の一環と考えられていますが、マカオの場合、ゲーミング中に喫煙をしたいと思った際に一旦中断しなければならないため、依存症対策となっていると考えられているのです。ゲーミングに費やす時間は、賭け金の金額や訪問回数と並んで、ギャンブル依存症を判断する3つの主要なパラメータのひとつとされており、禁煙も重要な取り組みと言えます。

地域のNGOとの連携を通じて「責任あるゲーミング」を推進

このような強制的な制約に加え、IR事業者の中には、法律上で最低限以上のことを自発的に取り組む企業もあります。お客様を大切にするがゆえでもありますが、同時に持続可能な事業を確立するための賢明な判断とも言えます。例えばギャラクシー・マカオ、スターワールド・マカオ、ブロードウェイ・マカオを運営するGEGは、規制がない頃から、従業員に対して「責任あるゲーミング」に関するトレーニングを実施していました。このトレーニングは、従業員が雇用された第1週目から始まり、その後も知識を深められるよう定期的な研修が行われます。

 

「責任あるゲーミング」を実現するために、日本市場で求められる取り組みとは?

IR事業者は、まず現状の「責任あるゲーミング」に関する活動を評価する独立した監査制度を持つこと、そして普及している研究結果や取り組みを定期的に学ぶことが不可欠です。GEGはこれを継続的に実施しており、導入しているプログラムが最新のものであり、地域社会のニーズに合っていることを常に確認しています。将来的には、ゲーミングの影響を最小限に抑えるため、科学的根拠に基づいた、最先端の技術的ソリューションを導入し、新しい対策を検討していく必要があります。日本市場においては、マカオのように「責任あるゲーミング」に対して賢明な努力をしている国や地域に目を向け、効果的なプログラムの指針を策定していくことが望ましいでしょう。

(Galaxy Entertainment JAPAN 提供)