日本女子ソフトボールリーグ1108

上野 圧巻14K完封連覇

ビックカメラ高崎13度目‼

名古屋市のパロマ瑞穂野球場で決勝トーナメントの3位決定戦と決勝を行い、ビックカメラ高崎が2年連続13度目の優勝を果たした。エース上野由岐子投手(38)が決勝のHonda戦で、1点のリードを守り切り、3安打14奪三振で完封。コロナ禍による波乱のシーズンを、今季最高の投球で締めくくった。

2年連続13度目の優勝を喜ぶビックカメラ高崎メンバー。

円熟の投球術

上野は世界一の剛速球投手であり、世界一の変化球投手でもある。決勝は右打者6人のHonda打線の懐をシュートでえぐった。
「途中で内角を狙われている感じがあったが、ミートをされなかった。いい球が投げられていると思った」
軸になる球ができ、チェンジアップ、ドロップ、ライズボールも生きた。1死で二塁に走者を背負うピンチが3度あったが、「ボール球を振らせることだけを考えた」と全て2者連続三振で切り抜けた。38歳の円熟の投球術が、「ビックカメラ高崎」の名称で初の連覇に導いた。決勝トーナメントのMVPに輝き、岩渕有美監督は「今季一番の投球をしてくれた」と最敬礼だ。
シーズン初戦は6失点KO負け。ピリッとしない投球が続き「言葉で自分を鼓舞するしかなかった」と苦しみながらも、調整方法、球種、フォームの全てを見直した。「いろいろ試す中で自分のフォームの基本に気付けた」。決勝は「最後の最後でいい形に仕上がった」という。自信を結果で証明するところが、大エースたるゆえんだ。

 ▽決勝
ビックカメラ高崎
000 010 0─1
000 000 0─0
Honda

2年連続の屈辱

〈Honda〉
今年もあと一歩届かなかった。2年連続準優勝に終わった森山主将は「去年と同じ結果になってしまったのが悔しくて。来年、絶対やってやるぞと思っている」と前を向いた。決勝は上野の鋭い変化球に苦しみ3三振。しかし、3位決定戦ではトヨタ自動車の剛腕・アボットから決勝ソロを放った。リーグ戦の不振を脱し、決勝トーナメントで2本塁打を放った活躍は色あせない。

アボット/1球に泣く

〈トヨタ自動車〉
米国代表のエースでもあるアボットが1球に泣いた。3回、追い込んでからのライズボールが甘く入り、3番森山にソロを打たれた。コロナ禍で来日が遅れ、リーグ戦は抑えを務めた。今季初先発で7回4安打1失点、12奪三振の好投をしながら敗れ、「1球で全てが決まってしまった。それが全て」と淡々と語った。打線はチャンスをつくりながら1点が遠く、リーグ戦1位チームが3位に終わった。

▽3位決定戦
Honda
000 100 0─1
000 000 0─0
トヨタ自動車
(H)フォード、カーダ―棚町
(ト)アボット―峰
[本]森山(H)

○…表彰選手…○

▽最高殊勲選手賞 上野由岐子(ビックカメラ高崎)
▽優秀選手賞   森山遥菜(Honda)