オークラとGEG、ドリームチームの始まりを紐解く

日本のホスピタリティを象徴するオークラが、GEGを選んだ理由

GEGは、世界最高峰のサービスを提供し、ビジネスを成功に導くため、弊社の経営ビジョンに賛同するパートナー企業との提携に重きを置いています。中でも日本有数のホテルグループであるオークラ ホテルズ&リゾーツとは、10年以上にわたって良好なパートナーシップを築き、様々な開発に携わってきました。実際、ギャラクシー・マカオのホテルオークラマカオは、世界のオークラの中でも最も成功したホテルのひとつで、高い稼働率を誇っています。

オークラと弊社のパートナーシップは、最高のカスタマーエクスペリエンスをテーマに、極上のホスピタリティを提供するという共通のビジョンを有していたことが始まりでした。提携当初、日本の大手金融機関がGEGを高く評価していたことから、オークラはGEGを信頼できるパートナーだと考え、特にGEGが運営していた家族向けの統合型リゾートに大きな可能性を感じていました。

このたび、ゲーミングの業界紙「IAG」が、本提携に寄与したオークラ ホテルズ&リゾーツのプロジェクト開発部門の最高顧問である門脇五郎氏に、GEGとのパートナーシップによる利点や事業シナジーについてインタビューを行いました。

日本人スタッフも常駐しているオークラマカオのロビー

なぜオークラはマカオでのパートナーとしてギャラクシーを選んだのですか?

当初私どもは、ゲーミング業界におけるホテルは、オークラブランドに適さないと考えていました。しかし、GEGの説明を受け、ギャラクシー・マカオは単なるゲーミングリゾートではない、新しいタイプのリゾートであると確信するようになりました。ゲーミングが統合型リゾートにおいて重要な施設であり、財政的に成功している世界中の統合型リゾートを見ても欠かせない要素ですが、GEGのコンセプトは、むしろ、ファミリーとカップルの利用を中心に、“人々が集うためのリゾート”であることを全面的に押し出した広範囲な施設から構成されるリゾートだったのです。

これが、私どもが取り組むに値すると判断したきっかけです。GEGの考えに興味を持った私どもの代表取締役社長はマカオへの訪問を決心し、GEGの創始者であり会長であるルイ・チェ・ウー博士、およびGEGの将来のヴィジョンを話してくださった副会長のフランシス・ルイ氏とお会いしました。

その後、双方がさらに理解しあうため議論を重ね、その年の12月にホテル管理運営受委託契約を締結いたしました。私どもは、その時からギャラクシー・マカオのプロジェクトチームのメンバーとなり、工事は順調に進み、計画が着々と具現化されてゆくことに強い期待を覚えました。

ギャラクシーと協働することの一番の利点は何でしたか?

たくさんあります。ひとつは、統合型リゾートについて学ぶことができたことです。ご存じの通り、統合型リゾートに組み込まれるホテルは、一般的な従来のホテルビジネスとは大きく異なります。日本のホスピタリティを象徴したオークラマカオは他に類を見ないユニークなホテルですが、開発段階において、また運営をとおして、世界のラグジュアリーホテルが集まるマカオにおいてさらに世界の最新のホスピタリティの動向について学ぶ機会を得ることができました。

オークラマカオは、大規模な統合型リゾートを構成する施設のひとつとして利益を得ています。ギャラクシー・マカオは、リゾート全体での効率の良い運営を図るために売り上げの増大と費用の削減を目的として、調達、清掃、ランドリーやユニフォーム管理、輸送、警備、さらにはIT、HR、マーケティングに至るまでシェアードサービスを導入しています。ビジネスパートナーの持つ営業管理データや顧客データを共有化することはハードルが高く、課題が多いのですが、ギャラクシー・マカオの利益を向上させることがビジネスパートナーそれぞれの利益をさらに向上させるという考えから、GEGの強力なリーダーシップとビジネスパートナー間の密なコミュニケーションがこれを可能にしています。またギャラクシー・マカオの利用者にとっても、滞在ホテルにかかわりなくあらゆる施設を利用できるというメリットを享受することができるのです。

この結果、オークラマカオの客室稼働率は安定して高い数値を示しており(2019年はほぼ99%)、マーケットを牽引するGEGの財務状況にも反映されています。

オークラは、ギャラクシー・マカオでの開業前に統合型リゾートを運営されていたのですか?

いいえ、運営しておりませんでした。ギャラクシー・マカオが最初です。従来の統合型リゾートにおけるホテルのほとんどは、マカオで見られるような「事業ブランド」ではなく、「企業ブランド」型でした。GEGは、アジア全域の一般的な顧客と富裕層の顧客をターゲットにするためにはブランドが非常に重要であるということを認識していました。

オークラは最初にこの点について懸念はありましたか?

オークラは統合型リゾートでのホテル運営経験を持っていなかったことから、数多くの懸念がありました。日本でのマカオのイメージはカジノの街であり、日本との結びつきが約470年前からあったと言われる割にはあまり健全な印象を持たれてはいませんでした。

しかし、私どもはマカオが観光都市として大きなポテンシャルを持ち、かつ近年、急速に変化していることに気づき、GEGとの話し合いを重ねた結果、そのような懸念はすぐに払拭され、GEGが、それまでの先入観にとらわれたマカオの姿やカジノ街の慣例を打破する能力を有していることを確信しました。紹介者である金融機関も、GEGの親会社であるケイワグループとGEGの両社を大変に信頼力があると高く評価していました。

その他の懸念としては、マカオが主たる客層の焦点を観光客に当てていた思われたことに対して、オークラの顧客プロフィールは特に金融を中心とした国内外のエグゼクティブビジネスパーソンであったということです。しかしながら、私どもは、マカオでGEGと協働することで、マカオに新しい市場を創り出し、そのセグメントに私たちのビジネスを展開、拡大できるということに気づきました。また、当時、日本国外でのオークラの認知度は必ずしも高くはなかったので、マカオにオークラを展開することで国際的な拠点とブランド力を拡大させることが可能となるだろうと考えたのです。

オークラマカオに対して、ギャラクシーからはどのようなサポートがあったのですか?

すべての関係者への情報提供や、密接なコミュニケーション、シェアードサービス、相互の信頼と敬意など、それらを可能せしめる強力なリーダーシップの提供です。それはGEGが定める「ひとつの屋根の下でのひとつのチーム」というギャラクシー・マカオの方針によく表されています。

ホテル間において往々にしてありがちな顧客の取り合いやスタッフの引き抜きはギャラクシー・マカオにおいては見られず、ホテルのみならず施設内の施設全体の格を下げるようなことはありません。パートナーシップ、コラボレーションなどの実例の結果としてそれぞれのビジネスパートナーや、関係するあらゆる団体の利益となるよう、ギャラクシー・マカオ全体が常に気を配り、取り組んでいます。

マカオと日本は市場が異なりますが、これを解決するのにオークラとGEGの2つの組織はどのように取り組んだのでしょうか?

GEGはマカオ政府観光局と強力な関係を築いており、類まれなマカオの文化遺産の保護、安心かつ楽しく滞在できる都市環境の整備、質が高く変化にとんだ飲食の提供などを推進するべく、関係者すべてを積極的に支援しています。それらはマカオを訪れるすべての旅行者のみならず日本人旅行者に対しても細心の注意を払い、提供されています。マカオと日本は、約470年前のキリスト教宣教師であったフランシスコ・ザビエルの時代から長い交流の歴史を共有しています。私どもは、マカオが観光の街であり、リゾートとして世界的な中心として位置づけられていることを認識しており、2019年の日本人観光客数は2005年の観光客数のほぼ2倍、約30万人に達したことを嬉しく思っています。

マカオでも着物姿の日本人スタッフ常駐
マカオでも着物姿の日本人スタッフ常駐
わびさびを感じる日本のおもてなしを提供
わびさびを感じる日本のおもてなしを提供

オークラがギャラクシーから学んだこととは?

互いにたくさんのことを学ぶことができたと思います。たとえば、オークラには日本の「おもてなし」があり、気配りがあり、誠実なサービスがあり、それらの日本の価値観やオークラの持つ先見性はギャラクシー・マカオにおいても明白です。さらには、全ての顧客や従業員、ビジネスパートナーが敬意と最高のおもてなしを受けられるという“アジアの心”が反映されています。

私どもは、GEGが常に顧客の満足に焦点を合わせ、最高の基準を安定的に維持することに全力を挙げ、この理念とギャラクシー・マカオのコンセプトに忠実でありつづけることに感動を覚えました。GEGは、常に利用者に質の高い顧客体験を提供するということに目を向けており、すべての利用者がリラックスし、リフレッシュしてリゾートライフを過ごし、満足して施設を後にするということを最も大切にしています。このことは、ギャラクシー・マカオにおいて徹底されており、オークラマカオにおいては多くのお客様が繰り返しご利用いただいていることからも明らかです。

オークラは、統合型リゾートにおける効果的なホテルのレイアウトやデザインについてもたくさん学びました。たとえば、ギャラクシー・マカオでは、ゲーミングエリアはパブリックエリアから見えないように設計しており、ノンゲーミングエリアでは特にファミリーでの利用者に配慮し、利便性と安全性を確保しています。統合型リゾートの多くでは、ロビーにたどり着き、レセプションから客室に向かう途中においても何度もゲーミングエリアを通り抜けなければなりませんが、これはファミリーにとっては好ましいことではないでしょう。

こういったことはひとつの例ですが、日本人利用者に対しても大切な側面であり、GEGが日本に計画するであろう統合型リゾートにこのようなコンセプトが適用されるのであれば大変に大きな意義があると考えています。

(Galaxy Entertainment JAPAN 提供)