〝深場〟の深み 尺カサゴ32センチ

  • 芸人が釣る!【茅ヶ崎・沖右ヱ門丸】
    吉本興業のお笑いコンビ「官兵衛」の伊藤貴之が乗り込んだのは茅ケ崎・沖右ヱ門丸。狙うは“赤い美味魚”カサゴだ。本命の他ににぎやかなゲストも釣れて…。

アカハタ、ウツボにぎやかなゲスト続々

特大の尺カサゴ。引きが違った

岩礁帯の底取り 根掛かりに注意

カサゴというと、消波ブロックでの穴釣りや、防波堤での足元釣りの陸(おか)っぱりからのイメージが強く、水深10~50メートルの“深場”で狙うのは全くの初体験でした。「カサゴをわざわざ船で狙うなんて」…正直最初はそんな気持ちで乗船しました。

ポイントは港から5分ほどのエボシ岩周り。もう景色が抜群。サバの切り身を胴突仕掛けの2本バリにチョン掛けして底まで落とします。あとは底を取り続け、当たりがあれば掛けていきます。「底で小さな当たりを掛ける」という点では、カワハギや船のシロギス釣りに近い感じだと思います。
そうこうしているうちに何と1投目で当たりがあり、船中1匹目は僕がいただきー!上がってきたのはなんとアカハタ。高級魚です。実際釣ってみて「僕の好きな釣り方や」と気付きました。

ただ、この釣りの難点をひとつだけ挙げるならば…カサゴや根魚のポイントは、岩礁帯なので気を抜くとすぐ根掛かりをしてしまうことです。最初、要領を得るまでは、何度も根掛かりをしてハリスを切られました。

水深20メートルに到達 一瞬で強烈引き

カサゴにマハタ、アカハタ、ウツボも

エボシ岩周りをぐるっとまんべんなく攻めていると、グググッ。鈍い重たい当たりが。引きはしないけど、かなりの重みを感じながら仕掛けを上げてみると、80センチのウツボ。尺カサゴかと期待したので拍子抜けでしたが、家で唐揚げにして食べてみたらビックリするくらいうまかったです。

その後も順調に、カサゴ、マハタ、アカハタの数を重ねて大きくポイント移動。水深20メートルほどの深場に仕掛けを落としたら、底に着いた瞬間、ガチン!とこの日一番の当たり。下に潜ろうと引くわ引くわ。スーパーライトジギング用の僕の竿も気持ち良く曲がっています。慎重に巻き、魚を上げると見たことのないデカさの32センチの尺カサゴでした。

この後も釣れ続け、カサゴ、アカハタ、マハタの3魚種合わせて12匹。竿頭だと思い満足していたら、僕の死角に座ってらっしゃった達人が16匹。やはり初めてやって竿頭を取れるほど、甘い釣りではなかったです。めちゃくちゃハマりました。またぜひリベンジしたいです!

▼釣況 東日本釣宿連合会所属、茅ケ崎・沖右ヱ門丸=(電)0467(82)3315。出船は午前7時。乗合料金9500円。女性・高校生以下各種割引あり。


正義の味方から・・・不審者に

 ◎芸人こぼれ話
芸人として売れていないため、大都会・東京で生き抜くためにゴミ収集のアルバイトをしています。作業をしていると、子供たちからよく手を振られます。「頑張ってねー!」「カッコいいー!」。まさに子供たちのヒーローです。街を守る正義の味方になった気分が味わえるのです。

ある日、小学校近くでゴミ収集をしていたら登校中の女の子3人組に手を振られ「いつも私たちのゴミを取ってくれてありがとうございます」「その作業服カッコいいなー」と声を掛けられました。おかげでその日も一日中ヒーロー気分で、気持ち良く仕事を終えることができました。

私服に着替えバイクでの帰り道、信号待ちでふと真横の歩道を見ると、今朝手を振ってくれたあの女の子3人組が下校しているのを見かけたのです。
テンションが上がり手を振りました。3人と目が合いました。反応がありません。
「おーい」と少し近寄り、今度は大きく手を振りました。
ピーピーピーピーピーピーピー!3人の防犯ブザーのけたたましい音が街中に響き渡りました。
僕は血相を変え逃げ去りました。

伊藤貴之(いとう・たかゆき)
1986年(昭61)生まれ、岐阜県出身の34歳。18年に石橋俊春とお笑いコンビ「官兵衛」を結成しデビュー。吉本若手の劇場、ヨシモト∞ホール(東京・渋谷)で修業を積んでいる。

※内容は掲載時のものです。
スポニチ2021年2月12日付