コロナで投げヤリ?9匹ゲットでまぁいイカ

・芸人が釣る【番外編】
 芸人はつらいよ!吉本興業のお笑いコンビ「官兵衛」の伊藤貴之は、コロナのおかげで商売はあがったり。空腹に耐えかねて食料確保のため夜陰にまぎれ某所へヤリイカ釣りへ。

焼きで刺し身で大満足

ライブが0本に
世界中を恐怖に陥れているコロナウイルスの影響で、皆さまの日々の暮らしも激変していることかと思います。

かくいう底辺芸人の私めも、多大な影響を受けている一人でございまして。ニュースでご覧になられた方もいるかもしれませんが、全国にある吉本興業の劇場は休館。それに伴い2~4月の出演予定だった全ライブ10本がなくなりました(2カ月で10本って少なくない?というのは思っても口に出さないでください)。

ライブがあったとしても、食べていけないことには変わりないのですが。じゃあどっちにしろそこまでダメージ無いんちゃう?とお思いの方!そんなことではないんです!
僕ら芸人は、もちろん「お金」も大事なのですが「お客さま」が一番大事なのです。

お客さまの前でトークをしたり、漫才をしたり。人前に立てないことが何よりしんどいのです。己の存在意義を示す機会が激減し、自分が何者か分からなくなり、感覚も鈍り、腕もなまる。僕ら芸人からお客さまを奪うと、そんな弊害まで生まれるのです。

ということを、同居人の後輩に講釈を垂れていたら「もともと伊藤さん腕なまってるじゃないですか。僕は芸人というより、釣り人としてしか見てませんよ?」と言われてしまいました。
その後輩の名前はカルビちゃん。
やっぱり腕なまってるみたいですね。

大型のヤリイカ、「イイカンジヤナー」

初挑戦に戸惑い
偉そうなことは二度と言わないと誓う僕は、何とかこの自粛期間を利用して動画編集の勉強をしています。その成果はYouTubeの「官兵衛チャンネル」で見ていただけます。ぜひともチャンネル登録してくださいませ!まだ登録者数が150人です。
ネタやら、あるあるコントやら、トークをアップしていますので、僕の腕がなまっているか皆さんの目でご確認くださいませ!

“調達”したヤリイカで豪華な晩さん

先日食料調達のため闇夜に紛れ某所に一人でヤリイカを釣りに出掛けました。仕掛けは、スッテにキビナゴをつけてのウキ釣りです。
人生初のヤリイカ釣りに戸惑いながらも周りの釣り人のまねごとで何とか9匹を釣り上げました!刺し身に、イカ焼きで、おなかを満たすことはできましたが「これが売れたらなー」と。1匹500円×9…でとセコい計算をしてしまう伊藤でした。
セコい考えになるのも、一人で寂しく釣りに行くのも、全部コロナのせい。

伊藤貴之(いとう・たかゆき)
1986年(昭61)生まれ、岐阜県出身の33歳。18年に石橋俊春とお笑いコンビ「官兵衛」を結成しデビュー。よしもと若手の劇場、無限大ホール(東京・渋谷)で修業を積んでいる。

※内容は掲載時のものです。
スポニチ2020年4月23日付