芸人としてもBDM(ボウズ・だけは・免れ隊)
よしもと「官兵衛」ボケ担当・伊藤貴之さん
「特技」でブレークの予感?!
東京湾タチウオ大会」参加
今月6日に行われたバリバスカップ・スポニチ「東京湾タチウオ大会」で中山丸の参加者に目が留まった。伊藤貴之さん(33=中野区)。申込書の職業欄には「芸人」とあった。
売れない30期生
プライベートでの参戦だった。よしもと大阪の30期生。漫才コンビ「官兵衛」のボケ担当。後輩からは中指を立てて「チワーッスってあいさつされる」いじられキャラだ。正直、売れない芸人。のんびり魚釣りどころではないはず。
岐阜県出身。小・中学時代から「人前に出たら気持ちいい。学級委員とかも自ら手を挙げてました」。いわゆる目立ちたがり屋。お笑い芸人に憧れ、高校を出ると大阪へ。ところが待ち構えていたのは「レベルの差」だった。何とかNSC(吉本総合芸術学院)に入っても実力が追いつかない。もがきながら何回もコンビを解消してきた。
5年前に大勝負を懸けて上京。1年半ほど前に早大理工学部物理学科出身の石橋素直(本名・俊春)が新たな相棒となった。「芸歴は僕が3年先輩。でも笑いに関しては彼が上」。格差コンビのたどり着く先はまだ見えない。
現状打破へ。ご本家・官兵衛とはいかないまでも、立てた戦略が子供のころから野池などで腕を磨いた釣りだった。「趣味を特技に→特技を仕事に」。時代の若者らしくターゲットはネットから。よしもと釣り部「ボウズだけは免れ隊」略してBDMを結成した。名前入りのTシャツも作製。まだメンバーは10人ほど。「コロコロチキチキペッパーズ」のナダル、兄弟コンビ「ミキ」の亜生(あせい)、「ピスタチオ」らが名を連ねる。
バイトで“コマセ”
努力は惜しまない。「日本おさかな検定(ととけん)の2級を取りました。次は超ムズイ1級を」。釣りの実力は吉本全体でも一番ではと豪語する。「PEラインとリーダーを結べるのは僕だけ」。鼻がピクと動く。
月に4回ほど渋谷の∞(無限大)ホールでライブはこなすものの「バイトのしまくりです」。六本木ヒルズ族の運転手は「拘束時間がバラバラだし長かったし」。歌舞伎町でも働いたが「いろいろあって…」。今はごみ収集と宅配弁当が頼み。活動資金が乏しいのでコネを広げるのが作戦その2だ。釣りイベントなどに協力。“宣伝部員”扱いしてもらい何かしらの恩恵を得る計算だ。
じわじわ来てる
ここへきてコマセが効いてきたような気配がある。先月21日に立ち上げたBDMのYouTube登録者数が1万2000人に迫っているのだ。官兵衛の名付け親は占い芸人。「それほど有名じゃないアポロン山崎ってのが絶対これだって」。さて…。
話題のクッション
〇…近頃、テレビ通販でよく見る卵がつぶれないクッション=写真。ネットではさまざまなネーミングで売り出されていて値段もピンキリ。重いのが難点だ。その分、風に飛ばされない利点がある。座り心地は悪くない。
※内容は掲載時のものです。
スポニチ2019年10月17日付