人生最大のマダイ55㌢でお役立ち
・芸人が釣る【静岡県西伊豆土肥】
吉本興業のお笑いコンビ「官兵衛」の伊藤貴之が出掛けたのは静岡県西伊豆の土肥。大物釣り師・まさひろうみの氏率いる「team bananas8181s」という釣りチームにゲスト参加した。“ご当地”釣法で釣れたのは大型のマダイだった。
釣りチームにゲスト参加〝ご当地〟釣法でバッチリ
西伊豆ではこの時季になると「食わせサビキの落とし込み釣り」が盛んに行われます。イワシの群れにサビキ仕掛けを投入し、イワシがハリに掛かると、そのまま海底に落とし大物が掛かるのを待つ、という食物連鎖をじかに感じられるシンプルかつ大胆な釣りです。
1年ぶりに第五豊栄丸に乗り込み船長の和樹君と握手を交わす。「今回も釣らせてね」「分かりました、佐藤さん」「伊藤や」。
うみのさんのレクチャーを聞きながら、イワシポイントへ。
イワシの群れがある深さに仕掛けを入れ、優しく竿をしゃくり誘います。プルプルと竿先に小さな震えを感じたら、イワシが付いた証拠。「◯メートルでイワシ付いたー!」と船内に大声でチーム全員に報告。焦らず、もう少し誘い、イワシが追加でたくさん付くのを待ちます。6本のハリにイワシが付いたと思ったら、海底に仕掛けを落とし、ヒラメ、マゴチ、ブリ、大物よ来い!しばらく待っても反応なし。船長が「ポイント変えまーす、巻いてくださーい」。
しぶしぶ仕掛けを回収。巻き始めた瞬間に、ゴツンンンッ!やりとりをしているとチームの皆が集まってきて、「お?後藤ヒットか?」「内藤さん頑張って!」とイジりのラッシュが始まりました。こんな時にどーいう神経してんねん!
釣り上げたのは良型の40センチ超えのマダイ。誇らしげに写真を撮ろうとしたら、周りからは「回収ヒットじゃん!」「まぐれ!」と突かれる始末。気合を入れ、今度こそ自分の腕で掛けて釣ってやる!
終盤に差し掛かったころに…海底に沈めていたイワシが大きく暴れだし、当たりがコツ、コツ、コツ…ゴン!
竿先が曲がった瞬間に思い切り合わせました。乗った!1匹目よりもさらに重い。下に叩くような引き。恐らくマダイ。かなりの引きに焦っていると、今回ばかりは周りのみんなも真剣に見守ってくれました。うみのさん以外は。「後藤がHIT!青いタモと赤いタモ、どっちが良い?」もうめちゃくちゃ言うてきます!
この妨害をくぐり抜け、何とか無事マダイを上げることができました。55センチの良型。人生で釣ったマダイで一番大きかったです。
お世話になっている、ジギングブランド「XESTA」の宇都宮基浩代表の友人に子供が生まれたと聞いたので「お祝いに」とマダイを差し上げると大変喜んでくださいました。僕のギャグ「イイカンジヤナ~」Tシャツをプレゼントした時とは比べ物にならないぐらい喜んでおられたのが印象的でした。
◎芸人こぼれ話
〝邪心〟あってはイイネいただけず
「アルバイトで都内のゴミ収集作業員をやっています。今まではめったになかったのですが、コロナで激励のお手紙や折り紙をいただく機会がめちゃくちゃ増えました。純粋にうれしくて、こみ上げるものがあり、頑張れます!」とツイートしました。正直に言います。「いまニュースで話題のゴミ収集案件をつぶやけばバズるはず」とよこしまな考えもありました。
大先輩の“ゴミ芸人”マシンガンズ滝沢さんがゴミ回収時のお礼に関するツイートをされていて「508リツイート2475イイネ」というバズり方をしているのを確認した上で便乗してのツイート。結果、僕のツイートは「4リツイート34イイネ」。
唯一来たコメントには「自分で書いたやつを自演しないで」。
相方からは引用リツイートで「こんな素晴らしい手紙使ったらもっと反響ありそうなのに…さすが伊藤さんですね!しびれます!」。
純粋できれいな心じゃないと、やっぱりダメなんだと思い知らされました。
伊藤 貴之(いとう・たかゆき)
1986年(昭61)生まれ、岐阜県出身の33歳。18年に石橋俊春とお笑いコンビ「官兵衛」を結成しデビュー。よしもと若手の劇場、無限大ホール(東京・渋谷)で修業を積んでいる。
※内容は掲載時のものです。
スポニチ2020年6月19日付