タイ屈一変…目の色変わる45センチ‼

・芸人が釣る【東京湾】
 吉本興業のお笑いコンビ「官兵衛」の伊藤貴之が挑んだのは東京湾のタイラバ。過去5回はこのテクニカルな釣りでオデコ。そして今回は…。

仕掛けカラーチェンジで興奮タイLover

苦手のタイラバで本命のマダイをGET

黒色で大当たり

大田区蒲田のガイド船「ゴーゴーガイドサービス」の船長からタイラバの誘いがあった時も正直乗り気ではなく、「嫌いな釣りやけど、予定空いてるし行こかなー」くらいのものでした。

釣行した日のメンツは4人。ポイントは水深30メートルで底から10メートルに反応バッチリ。一斉にタイラバを投下。着底するなり、おのおののスピードで巻く。底から10メートル前後でまた投下。ひたすらこれの繰り返し。退屈!タイラバは、ただ巻きと投下の繰り返しなので当たりがないと特に退屈な釣りなのです。

2時間ほどやって、誰にも何の反応もなかったので皆の仕掛けの色を尋ねると、全員同じベタな赤オレンジの組み合わせでした。

そら釣れませんて!4人もいるのにそろいもそろって同じ色使ってたのでは効率が悪過ぎます。

いろいろなカラーを使ってその日のヒットパターンを探らなきゃ。僕が「黒パターン最近良いみたいですよ」と言うと、同乗のゆずさくサンがたまたま持っていた黒にカラーチェンジ。大田さんは緑にチェンジ。するとカラーチェンジした1発目でゆずさくサンにヒット。着底の瞬間に食ってきた様子で、強烈な引きが船内を色めき立たせてくれました。

 上がってきたのは何と50センチオーバーの良型マゴチ。カラーチェンジが完全に功を奏しました。
「口使う魚、ちゃんといるんだ!」ということでがぜん皆のやる気が出ます。
僕もカラーチェンジ。ルアーボックスの下の方に、昔買ったので忘れていた漆黒のタイラバを1つ発見しました。今当たっている黒のタイラバが、僕には光り輝いて見えました。イケる!すぐに仕掛け投下。5メートル巻き上げたところで、ガツガツガツと強い引き。ジー!ドラグが出るわ、出るわ。来た来たー!
絶対にタイ!絶対にタイ!興奮するイトー。数分の夢のような格闘の末、45センチのマダイをGETしました。
3年ぶりのタイラバマダイに、あんなに退屈だったタイラバが大好きになっていました!


◎芸人こぼれ

海と陸の二刀流
先日、ある雑誌社から名指しでインタビュー依頼が来ました。
僕らレベルの4流芸人が名指しでお仕事を頂くことなど全くないので喜んで取材を受けました。
タイトルはまさかの「イケメンでもなく売れてもない芸人官兵衛・伊藤がいろんな女からモテモテのワケ」というモノでした。
いや、釣りちゃうんかぃ。どんな内容やねん!と皆さまお思いでしょうが、お恥ずかしながら、僕は海釣りだけでなく“陸釣り”の方も盛んにさせてもらってまして、その噂が何と雑誌社にまで及んでしまったということなのです。
当日、会議室に行くと、見たことのないシュッとした吉本の社員さん、カメラマン、ライターさん、雑誌社の方、大人が4人も僕のインタビューのために来ていました。
2時間ぶっ続けでしゃべり続けました。
今までの恋愛遍歴、恋愛テクニック、夜の話。その場にいる男性4人は笑ってくれて、盛り上がって、楽しくインタビューは終わりました。正直、手応えはありました。
後日、雑誌社から僕と女性マネジャー宛てに記事の内容確認のメールが届きました。
僕はその内容で問題なかったのですが、女性マネジャーが先方さんに「他の芸人さんたちが皆、こんなクズだと思われたくないので、数カ所表現を変えてください」という返信をしていました。
いや「こんなクズ」って。今コンビニに並んでいる「実話BUNKA超タブー」で僕がクズかどうかご確認ください!

伊藤 貴之(いとう・たかゆき)
1986年(昭61)生まれ、岐阜県出身。18年に石橋俊春とお笑いコンビ「官兵衛」を結成しデビュー。よしもと若手の劇場、無限大ホール(東京・渋谷)で修業を積んでいる。

※内容は掲載時のものです。
スポニチ2021年8月3日付