寒い 重い 悶絶 超絶90cm ハクレン
気温0度 氷雨の中〝地獄の戦い〟に勝利
・芸人が釣る「官兵衛・伊藤貴之」
吉本興業のお笑いコンビ「官兵衛」の伊藤貴之が挑んだのは巨大魚「ハクレン」。氷雨が降る中、全力でファイト!
練り餌マッシュで中国四大家魚狙う
釣り仲間の岡部祐二郎さん(以下ゆうじろうサン)から「最近ハマっている釣りがある」と連絡を受け、詳しく話を聞いてみると…何やら都内の河川で、マッシュという練り餌で、「ハクレン」が釣れるんだとか。
ハ、ハ、ハ、ハ、ハクレン!?あの中国四大家魚のハクレン?初の釣り物、初の釣り方ということもあり、居ても立ってもいられなくなり、すぐに同行させてもらうことに。
開始時刻はのんびりと朝の10時。ゆうじろうサンは前日にも一人で来て4匹も釣り上げたのだとか。高まる期待とは裏腹に、仕掛けのセッティング中に予報よりだいぶ早く雨が降りだし、びしょ濡れになりながらの最悪のスタート。
この日の気温は0度。ブルブル震えながらの待ちの釣り。練り餌を握るけど寒さで手がかじかんで上手にダンゴが作れない。魚との戦いではなく、寒さとの戦い。地獄!
5分のファイトでポカポカ笑顔
ウキのわずかな動きに全神経を集中させ、沈んだ瞬間に鋭く合わせを入れる。ヘラブナ釣りに似ている(やったことないけど)。当たりはあるけど乗らない。そうこうしているうちに、一緒に来ていたゆうじろうサンの友人2人がハクレンを釣り上げ、僕とゆうじろうサンの2人だけが釣れていない状況に。
「今日はもう寒すぎるし帰ろっか」とボヤいていると、小さな当たりを上手に掛けたイトーにヒット!重い。とにかく重い。全身びしょびしょのせいで腕の感覚がない中、「ぅうーー!」と悶絶(もんぜつ)しながら何と90センチのハクレンをGET。まぁデカいこと!
5分のファイトで体がポカポカに温かくなり最高の笑顔で写真を撮りました。
他のお友達も皆さん笑顔で祝福してくれたのですが、ゆうじろうサンだけは露骨に苦虫をかみつぶしたような顔でウキだけを見つめています。少しイジめたくなり「ゆうじろうサン、もう寒いし帰りますか?昨日4匹釣ったっての本当ですか?」とはやし立てると、ボソリと一言、「イトー君、それ以上言うと僕泣いちゃうよ?」。
オジサンの心からの一言がツボに入り大笑いしていると、ついにゆうじろうサンもヒット。さすがに見事な竿さばきで、ハクレンを優雅に釣り上げていました。
帰りの車でゆうじろうサンから「実はあの時、もう泣いてたからね」と打ち明けられました。
◎芸人こぼれ話
食べ過ぎるとチビる 幻の深海魚バラムツ オデコ&寒さでチビる
幻の深海魚バラムツはご存じでしょうか?
全身大トロの脂身で構成された最高においしい魚です。ではなぜそんな魚が市場に出回っていないのか?
めちゃくちゃおいしいのですがその脂身がロウと同じ成分でできているため、食べ過ぎると自然にお尻からロウが漏れ出てしまい無意識のうちにチビってしまうからなのです。
実は4年ほど前にバラムツを釣ったことがあるのですが、ビビり過ぎて少しずつ何日にも分けて食べたのでチビりませんでした。
せっかくのチャンスなのに、芸人としては0点の行為。ずっと後悔していたので、このリベンジとして12月に再びバラムツを釣りに駿河湾まで遠征に行きました!
もちろん目標は、バラムツを釣って大量に食べてチビること。これぞ釣り芸人。しかしいざ行ってみると大シケの夜の駿河湾で船酔いし、寒さで体はガタガタ震え、最悪のコンディションで結果はもちろんオデコ。
お金と時間をかけたのにふがいない結果だったので落ち込み、家のお風呂に入る時にうなだれながらふとパンツを見てみると、寒さでおなかが緩んでいたためか少しチビっていました。バラムツ食べられてないのに、チビってどないすんねん!
◇伊藤 貴之(いとう・たかゆき)
1986年(昭61)生まれ、岐阜県出身。18年に石橋俊春とお笑いコンビ「官兵衛」を結成しデビュー。
※内容は掲載時のものです。
スポニチ2022年1月4日付