10月27日付 元阪神・玉置「現役最後」舞台 33歳魂の133球

日本製鉄鹿島、サヨナラ勝利呼んだ

<日本製鉄鹿島・JFE西日本>10回を1失点で投げ抜き、サヨナラ勝ちを引き寄せた玉置

1回戦3試合が行われた。日本製鉄鹿島は元阪神の玉置隆コーチ兼投手(33)が10回5安打1失点10奪三振が力投。タイブレークの延長12回1死一、二塁から片葺翔太捕手(33)が左中間を抜くサヨナラ打を放ち、昨年準優勝のJFE西日本に2―1で勝利した。JR九州は延長10回に3点を勝ち越して三菱重工神戸・高砂との接戦を制し、大阪ガスは延長11回の末にHonda鈴鹿を1―0のサヨナラ勝ちで下した。

▽1回戦
JFE西日本(広島)
010 000 000 000   |1
100 000 000 001×|2
日本製鉄鹿島(茨城)
※延長12回からタイブレーク

10回1失点

プロの世界で辛酸を味わった男が、完全燃焼の投球を見せた。阪神でもプレーした玉置が10回を5安打1失点。133球を投げ抜き、タイブレークの末、延長12回サヨナラ勝ちを引き寄せた。
「向こうは注目のドラフト1位。投げ合うのが楽しみだった。最高のピッチングができたと思います」
玉置は04年ドラフト9巡目で市立和歌山商から阪神入団。15年に退団するまで、1軍登板は20試合。度重なる故障に苦しんだプロ生活だった。だからこそ、1位で日本ハムの指名を受けた河野との対戦には期するものがあった。内角攻めと変化球の切れで渡り合った。9回2死一、三塁は137キロで詰まらせ遊飛。10回2死満塁も4番・古田を138キロで中飛に片付けた。「好きな野球を十分させてもらった。この大会が現役最後だと思っている。会社への恩返しの意味でも一つでも多く勝ちたい」。社会人4年目の33歳はラスト舞台を優勝で飾る意気込みだった。

Fドラ1河野 初戦敗退に涙 <JFE西日本>日本ハムからドラフト1位指名を受けた151キロ左腕・河野が、初戦で散った。7回1/3で7安打を浴びながら1失点と粘ったが、チームは延長12回タイブレーク方式の末にサヨナラ負け。前回大会準優勝から一転、まさかの初戦敗退に「勝利に導けずに悔しい」と真っ赤な目で話した。即戦力として期待がかかる来季に向け「プロではさらに制球力を磨きたい」と飛躍を誓った。

▽同
JR九州(福岡)
010 010 000 3|5
000 002 000 0|2
三菱重工神戸・高砂(兵庫)
<三菱重工神戸・高砂 VS JR九州>10回、スクイズを決めた石橋

石橋Vスクイズ JR九州〉延長10回1死から池田、萌抜の連打で二、三塁とチャンスを広げると、途中出場の石橋が初球を一塁線にスクイズ成功。さらに野選と敵失で二塁走者も生還し、試合を決めた。「緊張せず、落ち着いてできた。社会人も6年目なので、自分の仕事をしっかりやらないと出番もなくなりますから」と職人技を振り返った。初戦を突破するのは7年ぶり。野中憲二監督も「勝つことで流れが変わるはず」と手応えを感じていた。

▽同
Honda鈴鹿(三重)
000 000 000 00―0
000 000 000 01×―1
大阪ガス(大阪)
<大阪ガス・Honda鈴鹿>11回2死一、二塁、サヨナラ適時打を放ち抱き合う古川(中央)

【阪神】近本応援力に 古川劇打で雪辱 大阪ガス〉投手戦にピリオドを打ったのは26歳の古川だった。延長11回2死一、二塁から右越えサヨナラ打。立命大では巨人・桜井と同期だった5番が「しっかり振り抜けた結果です」と笑顔を見せた。阪神・近本もベンチ裏に駆けつけ、「頑張って」という合図を古川に送っていたという。「去年負けた相手にお返しができた。次戦のJFE東日本にも都市対抗で負けたし今度こそ勝つ」。楽天からドラフト1位指名を受けた小深田も無安打に終わっただけに「次こそやります」と切り替えていた。

<10月27日付 スポニチ紙面掲載記事>

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